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大物FAの2投手、カイクルとキンブレルの球団がもうすぐ決まる

宇根夏樹ベースボール・ライター
クレイグ・キンブレル Oct 27, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 もうすぐ、ダラス・カイクルクレイグ・キンブレルの球団が決まる。早ければ、契約を交わすまでにあと1週間かからない。

 カイクルはローテーションの2~3番手を担うことができ、キンブレルは試合を締めくくれる。サイ・ヤング賞に選ばれた2015年ほどではないとはいえ、昨シーズン、カイクルは200イニング以上を投げ、防御率3.74を記録した。キンブレルは8年続けて30セーブ以上を挙げていて、その成功率は7年連続89.0%以上。現在の年齢はどちらも31歳だ。

 昨シーズンが終わってFA市場に出た彼らは、代理人を通して数球団と交渉したが、満足できる契約の申し出はなく、球団が決まらないまま開幕を迎えた。

 また、2人はFAとなった後、それまで在籍していた球団――カイクルはヒューストン・アストロズ、キンブレルはボストン・レッドソックス――からクオリファイング・オファーを申し出られ、それを断っている。

 クオリファイング・オファーを断ったFAが、元の球団とは異なる球団と契約した場合、元の球団はドラフト指名権を与えられ、契約した球団はドラフト指名権などを失う。例えば、パトリック・コービンの移籍(アリゾナ・ダイヤモンドバックス→ワシントン・ナショナルズ)に伴い、ダイヤモンドバックスは今年のドラフトで1巡目の直後に位置する指名権を得て、ナショナルズは持っていた指名権のうち上から2番目と5番目を失った。加えて、海外のアマチュア選手に対する契約金の総額枠(2019~20年)から、100万ドル分を差し引かれた。

 得るものと失うものは一律ではないが、カイクルとキンブレルとの契約に際しても、同じようなことが起きる。ただ、ドラフトが終わってしまえば、これらは発生しない。彼らと契約したい球団は――すでに交渉はしているだろうが――それを待っている。今年のドラフトは6月3~5日だ。

 ニューヨーク・ヤンキースをはじめ、カイクルに興味を抱いている球団は少なくない。キンブレルについても同様だ。タンパベイ・レイズはどちらと契約してもおかしくないが、ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールによれば、カイクルよりもキンブレルを欲しているという。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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