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台風21号の接近、上陸のタイミングがさらに早まる。早めの台風対策を。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
北緯20度を越えた台風21号の雲(ウェザーマップ)

火曜日の昼頃にも上陸する恐れ

台風21号の予報円(ウェザーマップ)
台風21号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

タイトル画像にもある通り、台風21号は明瞭な鋭い眼を伴っており、きょう午後3時の発表でも中心気圧915hPaの猛烈な台風と解析されています。

台風21号は猛烈な勢力となってからすでに丸1日以上経過しており、おそらく今がちょうどこの台風の一番の最盛期と考えられます。

あす以降は徐々にではありますが、勢力を弱めながら北上するものと思われます。

ただ勢力を弱めるといっても、台風としては最も強力な猛烈な勢力となっているわけですから、一つランクダウンした非常に強い勢力を維持しながら北上してくる見込みです。

しかも新しい予報円が発表されるたびに日本付近への接近、上陸のタイミングが早まってきています。

最新の予報円の真ん中を予想通りに進んでくると、月曜日に沖縄本島や奄美地方の東を離れて北上し、火曜日の昼頃には紀伊半島に上陸し、午後3時頃にはすでに近畿地方を速度を上げながら北上している予想です。

この時点での勢力は中心気圧960hPaの強い勢力となっており、上陸後やや弱まることを考えると、950hPa程度での上陸が見込まれていると言えるかもしれません。

また西側を通れば四国に上陸する可能性や東側を通れば東海に上陸する可能性も考えられ、さらにもっと東寄りに進めば、まだ東海沖~関東へ進んでくる可能性も残っていると言えるでしょう。

速度を上げれば、火曜日の午前中に上陸してしまう可能性も考えられます。

さらに上陸する地点の西側に入るか、東側に入るかで、雨の降り方や風の吹き方がかなり変わる可能性があり、今回も通過していく東側ではより荒天の度合いがひどくなる恐れがありますので、更なる警戒が必要となるでしょう。

今後も最新の台風情報で確認するようにして下さい。

自動車並みの速度で一気に北日本へ

台風21号の予報円(ウェザーマップ)
台風21号の予報円(ウェザーマップ)

台風は本土にさしかかる頃から上空の偏西風に乗り、一気に自動車並みの速度に加速しながら北日本方面へ駆け抜けていく予想です。

ただ速度を上げるタイミング次第では、北日本付近を通過する時間帯が大きく異なるため、水曜日(5日)の予報円は直径が1300キロと非常に大きなものとなっています。

接近が遅くなることよりも早くなるものと考えて、早めの台風対策を行って下さい。

類似台風は先日の台風20号?

徳島県に上陸し、日本海へ抜けた台風20号(ウェザーマップ)
徳島県に上陸し、日本海へ抜けた台風20号(ウェザーマップ)

今回の台風21号は今の時期(8月末~9月)の典型的なコース取りとも言えるもので、過去の類似台風を探せばけっこうあると思うのですが、近いところでは、先日強い勢力で徳島県南部に上陸した台風20号が挙げられます。

この台風は日本の南にある時の勢力や北上するコースはやや異なるものの、 強い勢力(965hPa)で上陸し、その後自動車並みの速さに速度アップし、日本海へ駆け抜けていきました。

大阪管区気象台による台風20号の取りまとめ

平成30年7月豪雨による大雨被害に対して、緊急災害支援募金(Yahoo!基金)を行っていますので、ご協力をお願いいたします。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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