【台湾スイーツ】マンゴーチャチャは「元カレ」「モテキ」からオレンジの愛を届ける
ブームの兆し
「【ポスト・パンケーキ】スイーツブームの兆しを知る」ではスイーツブームに必要となる要素をご紹介しました。ポストパンケーキといえるスイーツが現れたとまだ言えませんが、「兆し」が見えるスイーツはあります。兆しが見えるスイーツとは「台湾スイーツ」です。近年のブームと異なるところは、一つのアイテムではなく一つのジャンルがクローズアップされているところでしょう。
台湾スイーツの系譜
主な台湾スイーツの系譜を振り返ってみます。
- 1999/05/31「月和茶」(経堂、現在は閉店)
台湾かき氷
- 2003年 プアール茶専門店「三徳堂」
台湾かき氷(人気のマンゴーかき氷は2005年から発売)
- 2008/04/07「月和茶」(吉祥寺)
台湾スイーツ全般
- 2012/9/15「My茶」(銀座)
台湾スイーツ全般
- 2013/7/27「春水堂」(代官山)
タピオカミルクティー
- 2013/12/21「サニーヒルズ」(表参道)
パイナップルケーキ
- 2014/1/14「春水堂」(六本木)
タピオカミルクティー
- 2014/3/21「春水堂」(表参道)
タピオカミルクティー
- 2014/04/12「マンゴーチャチャ」
マンゴースイーツ
台湾産アップルマンゴーに特化
最初の頃は雪のようにふわふわした食感が特徴の台湾かき氷を扱う店が多かったですが、台湾スイーツの人気が出てきて競争が激しくなると、2013年からパイナップルジャムを使ったパイナップルケーキ、タピオカを使ったドリンクが現れてきました。台湾スイーツは2013年後半から急速に注目されるようになり、グルメの流行を的確に分析した「ぐるなび旬ワード」では以下のようにも取り上げられ(プレスリリースより。2014年6月分はWebページでは随時更新)、まさに今ブームになろうとしています。
こういった流れの中で台湾スイーツの専門化がさらに進んでいき、2014年4月12日にはマンゴーに特化した台湾スイーツ店、それも台湾産アップルマンゴーにこだわった台湾スイーツ店「マンゴーチャチャ」がオープンしたのです。
マンゴーチャチャがそこまで台湾産アップルマンゴーにこだわる理由は何なのでしょうか。
台湾産アップルマンゴーを広めたい
日本における台湾スイーツのブームに対して、マンゴーチャチャ ジャパンを運営するセドナグローバル株式会社CEOの宮下美智子氏は「日本で台湾スイーツが流行していることは知らなかった」と意外な回答をします。
続けて「台湾と貿易をしていた経緯で、もともとマンゴーチャチャの社長と知り合いであった。台湾産アップルマンゴーの素晴らしさと社長のマンゴーに対する愛情の深さに感銘を受けて、日本で広めたいと思った」と動機を語り、「コンセプトはマンゴーを通して子供からお年寄りまで幸せになっていただくこと。女性の感覚を大切にし、自分でも行きたくなる店にした」と力強く述べます。
ブランドを持ってくるだけではだめ
宮下氏は「マンゴーに特化したスイーツ店は日本ではもちろん、台湾でもマンゴーチャチャしかない」と述べる一方で、「単にブランドを持ってくるだけではだめ。こだわりと特徴がなければ必ず失敗する」として、いくつか失敗した他社のケースを挙げます。
セドナグローバルが主とする業務は不動産管理であり、外食産業への参入は初めてであることについて、宮下氏は「長野県で『ダボスの丘リゾート』というリゾートホテルを運営している。店舗デザインやお客さまへのサービスはむしろ得意とするところ」と不安はなかったと言います。
「日本初上陸店で絶対に失敗は許されなかったので、賃料が高い路面店ではなく、階上店舗を選択した」と2階へ入居した理由を説明しますが、「商業施設の情報収集には自信があり、原宿と表参道の交流点にあたる絶好の場所を押さえられた」と、出店計画は順調に進んだと述べます。
全ての女性が楽しめるように
宮下氏は「マンゴーチャチャのイメージカラーはオレンジ。優しくてポップで女性が好む」と店内を紹介し、「カジュアルだが安っぽくならないようにした」と、シュピゲラウのグラスや特注の同店オリジナルのプレートを使い、テーブルウェアにもこだわっていると説明します。
商品の魅力として「マンゴーはもともとローカロリーで、マンゴーチャチャのスイーツはどれも100キロカロリー前後になっている。添加物を一切使用していないのでヘルシーでもある」ことを挙げ、女性同士で盛り上がる仕掛けとして「台湾にある『元カレ』の他に、『初恋』『モテキ』といった面白い名前を付けた」とネーミングに対する戦略も話します。
マンゴーチャチャのメニューをご紹介しましょう。
マンゴージュース
マンゴー果肉と新鮮な水だけで作った健康無添加ジュースです。宮下氏が「普通マンゴーは1本の木に20から30の果実が付くが、マンゴーチャチャの台湾産アップルマンゴーは1本の木に7つしか果実が付かないので味が濃厚になる」と述べているだけあって、マンゴーと水だけでおいしいマンゴージュースを作ることができます。
モテキ
写真の通常版の他に、豪華版があります。台湾かき氷にマンゴー果肉とマンゴーアイスを合わせたスイーツで、マンゴーチャチャの代表的なスイーツを一度に食べられるお得なスイーツです。台湾かき氷にかけられているシロップはマンゴージュースとミルクから作られていますが、台湾産アップルマンゴーを使っているおかげで練乳を使っているかのように濃厚です。
ちなみに台湾かき氷は「雪花冰」(シューホァピン)と呼ばれており、細かく削られていて非常にふわふわとしているので、雪のようだと評されています。
オレンジラブ
マンゴージュースの中にマンゴーのアイスクリームと果肉が入れられた、マンゴーづくしのスイーツです。宮下氏が「マンゴーを通して幸せになってもらいたいという想いを込めたスイーツ」と願っただけあって、名前にラブが付けられています。テーブルに塩が置かれているので、途中で振って味の変化を楽しむのもよいでしょう。
マカロン
左が「フェイ」、右が「メロウ」です。フランス語で「濃厚」を意味するメロウは芳醇なマンゴー味、「妖精」という意味のフェイは繊細な風味のあっさりしたマカロンです。
京橋にある「ブーランジェリーパティスリー ルエールサンク」でシェフパティシエを務める中山洋平氏がプロデュースした本格的なマカロンです。こういった有名パティシエが協力しているのも、宮下氏の台湾産アップルマンゴーに対する想いが伝わっている証左ではないでしょうか。
台湾産アップルマンゴーが最もおいしい
オープン早々から注目を浴び、長蛇の列ができていることに対して、宮下氏は「来年の春までにもう1店、毎年2、3店出店したい」と今後の構想を述べ、自信の程を問われると「インドネシア、ブラジル、フィリピン、タイといった国の様々なマンゴーを食べた。その結果、台湾産アップルマンゴーが最もおいしいという確信に至った」と回答します。
オレンジの愛
マンゴーはチェリモヤ、マンゴスチンと並んで世界三大美果として食味が評価されていますが、ベータカロテンやビタミンCが多く含まれていて美容によいですし、脂質の過酸化を抑えるエリオシトリンが含まれていて、がんや老化を防止したり、糖尿病を予防したりします。
宮下氏は「愛のカラーは赤が定番だが、赤は恋人同士の愛を連想してしまう。恋人に限らず、もっと広い愛を表現したかったので、優しい感じのオレンジをマンゴーチャチャのイメージカラーにした」と説明します。健康によい上にオレンジの愛が込められたマンゴーチャチャの台湾スイーツが一人でも多くの日本人に届くよう、今後も応援したいです。
情報
詳しくは公式サイトをご確認ください。