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イチローの引退戦中継を生で見た韓国代表の二塁手「一緒に試合を出来たことが幸運」

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
2009年WBC、韓国の二塁手チョン・グンウと走者のイチロー(写真:ロイター/アフロ)

マリナーズ・イチロー外野手(45)の現役引退を受け、先週23日の本欄ではワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でイチローと戦ったイ・スンヨプ氏ら韓国の選手から聞いたコメントを紹介した。

(関連記事:イチロー引退にイ・スンヨプ(元巨人など)らWBCで対戦した韓国のスター選手が惜別コメント

その後、他の選手からも語られたイチローへの惜別メッセージを以下に掲載する。

2009年の第2回WBCでは二塁手を務め、現在は主に外野を守るハンファイーグルスのチョン・グンウ(36)は「イチロー選手の最後の試合をライブ中継で見た」と話し、イチローへの思いを語り始めた。

「イチロー選手が帽子を取った時に、短髪のヘアスタイルに白いものが交じっているのを見て、長い間選手生活を続けてきたのだと改めて感じた。東洋人なのにメジャーで10年続けてオールスター戦に出場したというのはものすごいことだ。努力をし続けた成果だと思う。イチロー選手の野球人生を尊敬する」

またチョン・グンウは10年前のWBCを振り返り、「選手として一緒に試合を出来たこと自体が幸運だった。そしてイチロー選手の打球をアウトに出来たことは一生の思い出だ」と話した。

第2回WBCで日本と韓国は5度対戦し、うちイチローが放ったセカンドゴロは4本。うち2本をチョン・グンウが処理した。

残る2つのセカンドゴロをさばいたのは、16年限りで引退し、現在はトゥサンベアーズで走塁コーチを務めるコ・ヨンミン(35)だ。コ・ヨンミンコーチはイチローについて「徹底した自己管理をしていた姿を素晴らしいと思った」と話し、イチローがもたらした影響について言及した。

「イチロー選手がメジャーリーグで活躍したことで、メジャーのスカウトが日本人選手をチェックするきっかけになったのではないか。もしイチロー選手がもっと早く引退していたら、日本人がアメリカでプレーする確率は減っていたかもしれない」

また第2回WBCで大会トップの3本塁打11打点を記録し、その実績を引っ下げて翌10年に千葉ロッテ入りしたキム・テギュン(ハンファ、36)もイチローについてコメントした。

「イチロー選手が残した成果は後輩として尊敬し、見習うことが多い。第2の人生で何をされるのかわからないが、野球界の発展に努めてくれることを願いたい」

この他にサムスンライオンズのク・ジャウク外野手(26)らイチローとは接点のない若い選手からも「かっこよかった。憧れだった」という声が聞かれた。

筆者が日本から持参した「イチロー引退」のスポーツ紙に目を通すサムスンのチョン・ヒョンウクコーチ。同コーチは現役当時、WBCで投手としてイチローと対戦した(写真:ストライク・ゾーン)
筆者が日本から持参した「イチロー引退」のスポーツ紙に目を通すサムスンのチョン・ヒョンウクコーチ。同コーチは現役当時、WBCで投手としてイチローと対戦した(写真:ストライク・ゾーン)
韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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