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60年の歴史と伝統を誇る1杯500円の豚骨ラーメン《地元の人々に寄り添い続ける絶品の博多ラーメン》

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺
名物の「ワンタン麺」にきくらげをトッピング

福岡県福岡市南区の老司。この「老司(ろうじ)」という地名を聞いただけで反射的に博多ラーメンの名店の名前が脳裏に思い浮かぶ地元の方やラーメン好きな方も多いのではないだろうかと想像する。1965年(昭和40年)に創業し、まもなく60周年を迎える〈一九ラーメン老司店〉

その〈一九老司〉の起源となるのは同福岡市南区の「大橋」にある「一九ラーメン本店」。〈一九老司〉が開業する1年ほど前の1964年(昭和39年)に創業し今年60周年を迎えた地域を代表する老舗店。しかし「本店」と「老司店」という呼び方から本店と支店のような関係に思われがちだけど、今現在はそれぞれが独立した営業スタイルをとっている。また「一九ラーメン」は、本店や老司店ばかりでなく、福岡市内とその近郊を中心に複数の店舗が展開されていて、それぞれのお店が個性的であり、その地域を代表する老舗のお店として愛され続けている地元の人々にとってはソウルフードのような位置付けのお店ばかりだ。

昔も今も変わらない行列の絶えない人気店

この日、訪れたのは週末の14時少し前。お昼のピークを外したつもりが店先に10台以上ある専用駐車場は満車。一旦路肩に止めようとしたところで、ちょうど先客の1台分が空き、タイミングよく車を停めることができた。

外には行列はないものの、店舗の側面にある専用入口から店内に入ると、左手にある券売機前に小さな行列ができていて、店内全体を見渡すとやはり満席状態という流石の人気ぶりだった。

外観も店内も旧店舗の頃と同じ雰囲気に

一年ほど前の昨年(2023年)、店舗を新しく建て替えたばかりの〈一九ラーメン老司店〉。外観も店内も真新しくはなってはいるものの、その外観的な見た目や店内の印象は、以前より広々としてはいるものの、パッと見の意匠やアットホームな雰囲気はそのまま継承。訪れた人々をホッとさせる空間に仕上がっている。

未だにラーメン1杯が500円の価格設定

お客さんの回転が早いため次々に列が進んでいき、5分ほどで券売機前。まずは迷うことなく一九といえばの「ワンタン麺」を発券。そしてトッピングを思案しつつレギュラーラーメン(チャーシュー麺、ワンタン麺、辛子高菜ラーメン、シナチクラーメン)には唯一ない「きくらげ」をトッピングする選択をした。

そして最後にベーシックな「ラーメン」の価格をあらためて券売機で確認。驚くべきことに、あらゆる原材料費が高騰しているご時世に、昔も今も変わらず基本のラーメン1杯を「500円」という安さで提供し続けている心意気に感銘を受けるのは私だけではないだろうと想像する。

発券を終え、L字型カウンターの1席に腰を下ろした後、お店の方に食券を渡しながら麺の硬さは「カタ」で注文。待つこと少々で配膳された「ワンタン麺」のきくらげ入りは、豚骨仕込みのスープながら見た目の印象はサラッとした一杯。

味の決め手となるカエシは、甘みのほかにキリッとした塩味が程よい印象。脂感も含めたコクと旨みがあふれるバランスの素晴らしい逸品に仕上がっている。

合わせる(博多ラーメンらしい)細ストレート麺は、食感と喉越しのいいタイプのひと品。来店されるリアルなお客さんの層と同様、老若男女すべての人たちに人気のあるラーメンであるのも頷ける。

一九名物の「ワンタン」は一つ一つが程よいサイズ。飴の味付けも美味しく手仕込みのワンタンが6個も入っている名物の「ワンタン麺」。ベースの豚骨スープとの相性も抜群で、ボリュームも美味しさも満足度の高い逸品。大変美味しくいただきました。

一九ラーメン老司店

住所  :福岡県福岡市南区老司1丁目33-13[地図
営業時間:11時00分〜21時00分
店休日 :不定休
駐車場 :専用駐車場あり(14台ほど)

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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