先代が創業した半世紀を超える歴史ある長浜ラーメン店《当代が伝統の老舗の味を継承し今も守り続けている》
1973年(昭和48年)福岡県福岡市博多区の「豊」。先代(お父様)が創業したお店、それが〈長浜ラーメン 花園亭〉だ。創業のお店自体は今はなくなっているものの、当代の現ご主人(創業者のご子息)が1999年(平成11年)福岡市南区の「井尻」に2号店となる〈長浜ラーメン 花園亭 井尻店〉を開業し(その当時は2店舗体制だった)すでに25年の月日が経過し現在に至る。創業から半世紀以上(51年)の歴史と伝統のある老舗の味を継承し今も守り続けている。
福岡市南区の「井尻」。西鉄天神大牟田線の「井尻駅」のすぐそばにある〈長浜ラーメン 花園亭 井尻店〉。井尻駅前の踏切近くの有料駐車場に車を停め、線路沿いを(雑餉隈駅方面へ)少し南下すると黄色いテント地の屋号の入った看板と赤い提灯が見えてくる。
チャーハンや餃子とのセットメニューが充実
時刻は13時を少し回った頃で、暖簾をくぐり店内に入ると、ちょうど落ち着いた時間帯だったようでL字型カウンターの手前の席に先客がお一人居るのみだった。
『こんにちは』と、ご主人へ挨拶しながら『いらっしゃいませ』の返答を受けつつ、反対側の一番奥の席に腰を下ろし、メニュー表を眺め思案する。
その間、後客のお一人様が訪れ(常連さんなのか)メニューを見ることなくAセット(ラーメン・チャーハン小・餃子5コ)を先に注文。ちょっと焦りつつ、自身も「チャーハンセット(ラーメン・チャーハン小)」を注文した。
その後、さらに後客が二人訪れ、同様のチャーハンセットやラーメン定食(ラーメン・餃子5コ・小ごはん)を注文。セットメニューの人気ぶりがうかがえた。
チャーハン作りのため、中華鍋を振りはじめるとカンカンカン♪という小気味よい音が一定時間店内に響き渡り、その音がおさまるとほぼ同時に先着で(2人分の)チャーハン(小)が配膳された。
そこからラーメン作りに取り掛かり、いっときすると麺を平ザルで丁寧に何度も湯切りするザッザッザッ♪という音が響く。そして目の前に大きめの器に入ったラーメンが配膳された。
懐かしさを感じる焼飯のようなチャーハン
まずは「チャーハン(小)」から。パッと見た目は一般的な卵寄りの黄色いイメージのものとは異なり〈花園亭〉のチャーハンは、しっかりとご飯が炒められた白に近い見た目の懐かしい印象の逸品。
味わいは懐かしさとともに素朴さもあり、どちらかといえば「焼飯」といったほうが似合いそうな存在感。その絶妙な美味しさにちょっと感動を覚えた逸品で、次回も注文必須のひと品。
大きめに乱切りされたネギが存在感を放つ
そして「ラーメン」。まず目に付くのがザクザクと大きめに乱切りにされたネギ。この感じは見た目も含めて有りそうで無い、唯一無二の存在感。パッと見た目でも分かる〈花園亭〉らしさ。チャーシューは小さめで厚めにカットされた脂身のない昔ながらのタイプ。
豚骨のスープは元祖系や一心亭系の長浜ラーメンとは一線を画す、どちらかといえばイニシエ系の「豚骨ラーメン」。豚骨の出汁の旨みがしっかりと感じられ、キレのある醤油系のカエシが際立つ一杯で、いわゆる昔ながらの「クサウマな豚骨ラーメン」といった印象。
麺は、昔ながらの博多らしいタイプの中細のストレート麺で、ザクザクとした歯切れが心地よく、サラッといただけるカタ麺で合わせるといい感じの逸品。替玉はすべきだと思いつつ、チャーハンセットだったため今回は回避(だけどちょっと後悔している)。
店内は、カウンター席のみ10席ほどで、夜は未だに訪問したことがないけれど、酒のつまみや揚げ物、炒め物、ステーキなどの一品料理も豊富に揃う町中華のようなお店。仕事帰りに酒の肴とともに一杯引っ掛けつつ、最後にシメのラーメンをいただくパターンも成立しそうなので、いつかそれを楽しみに訪れてみたいと思う今日この頃だ。大変美味しくいただきました。
最後に、冒頭での年代的な答え合わせをご主人にお尋ねしてみたところ、先代のお父様の時代から、創業51年という長い歴史を刻んでいることと、現在の〈長浜ラーメン 花園亭 井尻店〉も、すでに四半世紀(25周年)を迎えていることに、二重の驚きがあったことをご報告させていただきます。
長浜ラーメン 花園亭
住所 :福岡県福岡市南区区井尻3-11-15[地図]
営業時間:11時30分~00時30分
定休日 :日曜日
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり