アップル 1980円の「ポリッシングクロス」は単なる布ではなかった
アップルが新商品として1980円の「布」を売り始めたことが話題になっています。いったいこの布は何なのでしょうか。アップルのWebサイトにヒントがありました。
まずは筆者も1枚注文してみたものの、ネットで盛り上がった効果は凄いもので、届くまで1ヶ月待ちの人気商品になっています。
名称は「ポリッシングクロス」で、アップルの商品ページでは以下のように説明されています。
注目は「Nano-textureガラス」対応という点です。このガラスは60万円クラスのディスプレイ「Pro Display XDR」や、2020年モデルの27インチiMacのオプションとして用意されており、画面への映り込みを防ぐナノメートルレベルの表面処理が施されています。
お手入れ方法も決まっており、アップルはNano-textureガラスのお手入れ方法を説明した専用のページを用意しています。ここで挙げられている「付属のポリッシングクロス」か、それに近いものが単体のアクセサリー製品になったようです。
ディスプレイ用のクロスは1000円以上するものも珍しくなく、単純に1980円だから高すぎるとはいえません。アップルのロゴが付いているだけでなく、ナノメートルレベルで彫り込まれたテクスチャーにも対応するという付加価値も加わっています。
ほかにもポリッシングクロスでは「互換性」のある機種としてiPhoneやApple Watchなど多数のモデル名を挙げています。ここに書かれている機種であればクロスで拭いても問題ないことをアップルが保証しているわけです。
もちろん、多くのアップル製品は普及品のクロスでも十分に綺麗にできるとは思われるものの、そこは万全を期してアップル純正品を使いたい人、持ち物には細部までこだわりたい人、来客・贈答用などの用途に向いていそうです。
アクセサリー売上に貢献するか
アップルの決算資料にはApple WatchやAirPodsが含まれる「ウェアラブル、ホーム、アクセサリー」というカテゴリがあり、ケーブルやスマホケースなどのアクセサリー製品の売上もここに含まれています。
その比率はアップル全体の約10%と、やや地味に感じるかもしれませんが、2020年10-12月期には史上最高となる129億ドル超(約1.49兆円)を叩き出し、米国の大企業に匹敵する事業規模として話題になりました。
今回話題になったポリッシングクロスがどれくらい売上を押し上げるかは未知数ですが、いよいよ始まるホリデーシーズンに向けて、画面が大きくなった「Apple Watch Series 7」、来週発売の第3世代の「AirPods」と、今年も強力なラインナップが揃いました。半導体不足や物流の混乱も予想される中で、昨年の記録的な売上を更新できるか注目しています。