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中田英寿もプレーしたイタリア名門ペルージャに北朝鮮選手が新加入!

金明昱スポーツライター
ペルージャはチェ・ソンヒョクと契約を結んだことを伝えた(インスタグラムより)

 かつて中田英寿が所属したペルージャに、新たに北朝鮮選手のMFチェ・ソンヒョクが加入した。

 現在、イタリア・セリエB(2部)のペルージャは14日にクラブの公式サイトで、チェと3年契約を結んだと伝えている。

 

 チェは1998年生まれの19歳。2014年、タイのバンコクで開催されたAFC U-16選手権の決勝戦で、北朝鮮代表は韓国に2-1で逆転勝利。

 そのときゴールを決めているのがチェと現在セリエAのカリアリでプレーするFWハン・グァンソンだった。

 さらにチェは2015年のFIFA U-17ワールドカップ(W杯)で北朝鮮代表の10番を背負い4試合に出場。そこで彼の才能が認められ、2016年1月にフィオレンティーナのプリマヴェーラ(下部チーム)に入団。

 しかし、同年5月にイタリア議会が、フィオレンティーナとチェの契約は国連の対北朝鮮制裁に反するのではないかという質疑書を政府に提出。それを受けてクラブ側は、半年あまりでチェを放出していた。

 それから約1年。チェは再びイタリアに戻ることに成功したわけだが、これには少し驚いた。一度、イタリアを離れれば、また戻るのは難しいと考えていたからだ。

ペルージャのアカデミーにいたチェ・ソンヒョク

 ただ、同協会は数年前から、スペインとイタリアの育成アカデミーと提携して選手を送り込んでおり、欧州と太いパイプがあった。

 そのアカデミーはバルセロナにある「フンダシオン・マルセット」とペルージャの「インターナショナル・サッカー・マネジメント(ISM)」。ここに有望な北朝鮮選手を送り込んでいたのだ。

 ペルージャのISMアカデミーは、2014年から北朝鮮選手を受け入れており、そこで練習やトレーニングを続けてきたのがチェ・ソンヒョク。

 彼のことをよく知るペルージャのスタッフらが熱心に呼び寄せたのは、容易に想像できる。

 チェはトップ下、ウイングでのプレーを得意とする。フィオレンティーナの下部では右と左のサイドで起用されていたが、ペルージャではどのポジションで起用されるのかも楽しみの一つだろう。

 これでカリアリで初ゴールを決めているハン・グァンソンに続き、イタリアでプレーする2人目の北朝鮮選手が誕生した。同国でブレイクできるか注目していきたい。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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