寒気が南下 札幌は雨二番にならず、東京も暖かさも15日まで
雨一番は日本海側の地方から北上
北海道で立春後に初めて雪を混えずに降る雨を「雨一番」と呼ぶことがあります。雨が降っても止むまでに雪に変われば雨一番ではないので、春になった証といえます。
平均的な「雨一番」は、北海道南部の松前では2月下旬で、日本海側の地方から北上して札幌付近では3月15日頃、一番遅いオホーツク海沿岸では3月下旬です。
これは、日本海側では暖流である対馬海流が、太平洋側では寒流である親潮が流れていること、オホーツク海沿岸は流氷の影響を受けていることなどによります。
雨一番と春一番
平成30年(2018年)の札幌は、3月4日に日本海北部の低気圧に向かって暖気が入り、最高気温が10度を上回り、雨一番となっています(表)。
気象庁の春一番の定義では、北日本と沖縄がありません。めったに吹かないということですが、全くないわけではありません。
雨一番となった3月4日は、気温があがり、札幌の最大風速は8.4メートルとなったのですが、風向は西北西で南よりの風ではありませんので、春一番とはいいにくく、3月13日には北海道各地で強い南よりの風が吹いて気温が上昇していますので、春一番といってもさしつかえない天気となっています。ただ、札幌の3月13日(昼)の天気は、曇時々みぞれとなっており、雪が混じったため雨二番にはなりません。
寒気が南下で札幌は雨二番にならず
3月15日(木)は、日本海の低気圧に向かって南風が入り、北海道でも気温が上がる予報です(図1)。
ただ、低気圧の通過後、寒気が入ってくるので、札幌の雨は雪に変わるため、雨二番にはなりません(図2)。図2は時系列予報といい、平成8年(1996年)3月1日から始まった予報ですが、気温は札幌の気温、天気は札幌を含む石狩地方の天気です。
厳しい寒さの北海道でも、雨一番、雨二番もどきと続き、着実に春が近づいています。
寒気が南下で東京の暖かさは今日まで
低気圧の通過後の寒冷前線に伴う寒気は、本州の南岸まで大きく南下します(図3)。
このため、15日は日本海北部の低気圧に向かって暖気が入って最高気温が23度と、平年より9度も高くなりますが、16日以降は気温が下がり、曇が主体の天気に変わります(図4)。
桜の開化が気になる時期になりましたが、関東地方では16日以降は気温が下がったといっても、ほぼ平年並みです。
3月に入ってかなり暖かい日が多いために、2月の寒さによる遅れを一気に取り戻す形で、平年より早く、来週には桜の開花のたよりが聞かれると思います。
3月15日7時に図5を追記:
図1、図2、図3、図4、図5、表の出典:気象庁ホームページ。