京都の定番紅葉名所!嵐山・嵯峨野の紅葉の巡り方
洛西の紅葉といえば、大きく二つに分かれるため、まず定番の方を紹介したい。それが嵐山・嵯峨野エリアだ。こちらはアクセスもいいことがあって、清水寺を中心とした洛東エリア同様に人が多い。
嵐山方面へ紅葉を見に行くのなら、混雑必至の渡月橋近辺はちらりと見る程度にとどめて、嵯峨野の竹林を楽しみながら北上しよう。
嵯峨野の紅葉の大本命は常寂光寺と二尊院だ。どちらも藤原定家が手掛けた『百人一首』の編纂候補地で、常寂光寺は山門周辺の斜面の紅葉と多宝塔回りの紅葉、二尊院は「紅葉の馬場」と呼ばれる山門からの参道の紅葉が素晴らしい。
穴場を狙うなら、さらに奥へと進み、化野念仏寺へ。8000体の無縁仏で知られるが、紅葉の発色も濃く、鮮やかな紅葉が楽しめる。さらに紅葉を静かに味わいたいなら、重要伝統的建造物群保存地区にあたる嵯峨鳥居本界隈を抜けて愛宕念仏寺へ。こちらだとほとんど人の姿がなく、1200体の羅漢さんとともに静寂な紅葉を楽しめる。
また嵯峨野めぐりのもうひとつのコースが、渡月橋から真っすぐ北上し、清凉寺へ進むコースだ。清凉寺の本堂裏の庭園の紅葉は、あまり知られておらず穴場であり、門前の西側にある宝筐院は足利義詮の菩提寺で、境内全域が紅葉に包まれている。このコースをとった場合、その後は、嵯峨野めぐりの王道コースへ流れてもいいが、そこから大覚寺へ向かうことをお勧めしたい。
大覚寺は嵯峨天皇の離宮に端を発する門跡寺院であり、境内の大沢の池周辺の紅葉は、平安時代から変わらぬ景色として味わい深い。名古曾滝跡周辺まで散策するといいだろう。
最後にこのエリアでの秘境ともいうべきスポットが、鳥居本八幡宮だ。大覚寺の西側に位置し、時代劇の撮影スポットとして今もなお使われている。この北側にある護法堂弁財天は、ほとんど知る人のない小さな神社で、社殿の周辺の紅葉は高さがあり、毎年期待を裏切らない質を誇っている。機会があれば足を延ばしてみてほしい。