無化調の濃厚豚骨ラーメンは福岡県内でも唯一無二〈存在感があるのに罪悪感はない〉という紛れもない事実
2011年の6月、福岡県春日市須玖北に「かなでグループ」の1号店として〈濃厚とんこつ かなで食堂〉を創業し今年13年目を迎える。開業当初からピークタイムには地元の方々で賑わう、行列のできる人気店として現在に至る。
住環境の良さや公共交通機関の発達により、福岡都市圏のベットタウンとしても機能している「春日市」。その住宅地の一角に〈かなで食堂〉はあり、お子様連れのファミリー層も多く住む環境の中で、旨味調味料不使用という「とんこつラーメン店」を掲げ、メニュー表にもアレルギー表示を掲示するなど一部のお客様には必要な詳細情報にも丁寧に対応するそんな姿勢や想いが地域の方々からも支持され今もなお愛され続ける理由の一つになっている。
2015年には福岡市博多区東比恵に開業した「中華そばかなで〜鶏だし編〜」は、中華そばをメインとした、知る人ぞ知る福岡の名店。ミシュランガイド2019特別版の掲載店でもあり「かなで」の2号店になる。そして2022年には3号店となる、福岡市東区多の津に、煮干系の中華そばをメインに提供している「中華そばかなで〜煮干編〜」を開業。どちらのお店もハイレベルなラーメンを提供しているので、近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りいただきたい。
無化調のオンリーワンとんこつの存在感
濃厚だけどクドくないチューニングの妙。開店直後の訪問は、家族連れやグループで、すでに賑わっていて、カウンターの右端に着席。この日、何度目かのフラッグシップ麺「濃厚とんこつラーメン」を選択。絶品の味付玉子は半玉デフォルトでついてくる。待つことしばし、配膳された一杯は、トロミのあるドッシリとした濃厚とんこつだけど、脂感はかなり抑えられていて口当たりもとても良く後味もスッキリ。すんなり喉元を通過するこの感覚は、一般的な「とんこつラーメン」の概念が崩壊するような不思議な一杯は唯一無二で、正真正銘の罪悪感なし。
合わせる自家製の麺は、コシのしっかりある歯応えのいいタイプで濃厚なスープとよく絡んで食べ応えも十分で箸が止まらなくなる逸品。もちろんスープとの相性も抜群で、啜るたびに旨みがドッと寄せてきて、想像の斜め上をいく旨さがある。
濃厚とんこつをアレンジした人気の二品
濃厚なのにあっさりで脂っぽくない。とんこつなのに旨味調味料不使用。たん白加水分解物、酵母エキスも不使用という唯一無二の濃厚とんこつスープ。〈かなで食堂〉には、そのスープを使ってアレンジを加えた2つの人気レギュラーメニューがある。
創業以来の逸品「とまとんこつラーメン」
イタリアン風な「とまとんこつラーメン」は2011年の創業以来の名物メニュー。とまとんこつのベーススープは「濃厚とんこつのスープ」なだけにトロミとザラっと感のある濃厚タイプ。美味しさの成分「イノシン酸」を多く含んだスープに、粗めのトマトペーストを混ぜ入れることで「グルタミン酸」が加わり2つの旨み成分のハーモニーを楽しむことができる逸品。さらに脇役の素揚げされた茄子とカボチャ、角切りの刻みチャーシューがゴロゴロと入った好バランス。特製の味変用の香り豊かなバジルソースもいい仕事で美味しい&ヘルシーを醸成。
合わせる麺は、博多らしい細ストレート麺。スープと一緒に麺を啜ると、そこにバジルの香りがプラスされると、まさにイタリアンなとんこつラーメン。創作麺ではありながらも、創業以来、長年にわたり支持され続けている存在感がここにある。
看板メニューのもう一つは「担々麺」
濃厚とんこつベースのスープは、濃厚とんこつラーメンよりも「コク」がグッと増した一杯になる。さらに「コクウマ」と「カラシビ」が奏でる旨みが堪らなく美味しさを増幅させる。合わせる自家製麺もきっちりとコシがあり、小麦の風味を楽しめ、ロングセラーで、常連さんの支持率No.1の人気を誇っているのも頷ける一杯。
福岡県に来福されてラーメン店を選ぶとなると、一般的にも有名な豚骨ラーメン店はたくさんありますが、ちょっと違った視点で「豚骨ラーメン」を選びたいという時には、こちらの「濃厚とんこつラーメン(とまとんこつ&担々麺もおすすめ)」も候補の一つにされると良いのではないかと思います。
濃厚とんこつかなで食堂
住所 :福岡県春日市須玖南1-182[地図]
営業時間:11時00分~22時30分(L.O.22時00分)
定休日 :なし(※要確認)
駐車場 :専用駐車場あり(店頭と道向かいに8台ほど)