大谷翔平がそうなる「ポストシーズン未経験で2度目のMVP」は過去に1人だけ
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大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、2年ぶり2度目のMVPに選ばれるはずだ。今年も、2021年と同じく、票を投じる30人の全員から揃って1位とされる、「満票」の受賞となるだろう。
現行のMVP投票は、それぞれの投票者が、1位から10位までの10選手を挙げる。各選手が得た票を、1位=14ポイント、2位=9ポイント、3位=8ポイント、4位=7ポイント……10位=1ポイントとして計算し、合計ポイントの最も多い選手がMVPとなる。1位票が最多でも、受賞するとは限らない。「満票」の場合は、14ポイント×30人=420ポイントだ。
昨年のア・リーグのMVP投票では、30人中28人がアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)を1位とした。あと2人が1位に挙げたのは、大谷だった。30人とも、順序はさておき、ジャッジと大谷をトップ2に挙げた。
BBWAA(ベースボール・ライターズ・アソシエイション・オブ・アメリカ)のメンバーによる投票が始まった1931年以降に、MVP受賞が2度以上の選手は、28人を数える。大谷は、今年の受賞により、その29人目となる。
28人中、2度目のMVPを手にした時点でポストシーズン出場が皆無だったのは、アーニー・バンクスだけだ。大谷は、その2人目になる。
バンクスは、1953年から1971年まで、シカゴ・カブス一筋にプレーし、512本のホームランを打った。この19シーズン中、カブスは、最初の10シーズンがすべて負け越し。その後の9シーズンは、勝ち越しが6度あったものの、ポストシーズンには進めなかった。バンクスがMVPに選ばれたのは、1958年と1959年だ。どちらのシーズンも、カブスはナ・リーグ5位タイ――当時は地区に分かれていなかった――に位置した。
2度目のMVPとポストシーズン初出場が同じ年の選手も、デトロイト・タイガースなどで207勝を挙げたハル・ニューハウザーしかいない。ニューハウザーのMVPは、1944年と1945年。ポストシーズンで初めて投げたのは、1945年のワールドシリーズだ。
バンクスとニューハウザー以外の26人は、2度目のMVPを受賞する前に、少なくとも1度はポストシーズンに出場している。
例えば、大谷のチームメイトであるマイク・トラウトの場合、MVPに選出されたのは、2014年、2016年、2019年の3度。ポストシーズン初出場は2014年なので、初のMVPと同じ年だ。ポストシーズンでプレーしていた時点では、MVP投票の結果は発表されていなかった。
ちなみに、トラウトのポストシーズン出場は、今のところ、2014年のディビジョン・シリーズ3試合のみ。最初の2試合はどちらも11イニングに及んだものの、エンジェルスはカンザスシティ・ロイヤルズにスウィープされた。トラウトは、3試合目の1回表に先制ホームランを打ったが、シリーズ全体で12打数1安打。最後は、シリーズ敗退が決まる三振を喫した。