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岸田総理はもはや「死に体」で自民党総裁選に出馬できずに終わるのか #専門家のまとめ

田中良紹ジャーナリスト
(写真:つのだよしお/アフロ)

岸田内閣の支持率が過去最低を更新し続けていることから、通常国会が終わるや否や秋の自民党総裁選に岸田総理を再選出馬させない動きが表面化した。火付け役は麻生副総裁と茂木幹事長である。総裁を支える立場にある大幹部が公然と反旗を翻すのは自民党が末期症状に陥ったことを国民に印象付ける。果たして岸田総理は不出馬に追い込まれるのか。

ココがポイント

▼6月の内閣支持率が過去最低を更新したため、時事通信の解説委員長は岸田総理が総裁選に出馬しない予想を立てた。

「死に体」化進む岸田内閣 支持率最低を更新◆時事6月世論調査【解説委員室から】(時事通信)

▼一方で総裁選候補者として国民に人気のある石破元幹事長は、麻生副総裁の岸田総理への対応に疑問を呈した。

・麻生副総裁発言を石破氏疑問視 規正法改正巡り(共同通信)

▼自民党の内部抗争を見た野党は党首討論でその点を追及したが、岸田総理は「四面楚歌であるとは感じていない」と反論した。

・「四面楚歌とは感じていない」 首相の反論にどよめき 党首討論(毎日新聞)

▼毎日新聞の世論調査で「次の首相にふさわしい人」のトップは石破氏だったが、自民党支持層に限れば1位は岸田総理だった。

・「次の首相にふさわしい人」 石破氏20%、高市氏9% 世論調査(毎日新聞)

エキスパートの補足・見解

安倍派のパーティ資金裏金事件は、最大派閥の事件であることから、総裁選への影響を考えたためか、岸田総理の事件解明に対する熱意が感じられない。森元総理への聴取も及び腰だ。自民党は政治改革のため刷新本部を設けたが、最高顧問の麻生、菅の両総理経験者の間に溝がある。菅氏が「派閥解消」を提案し、それに岸田総理が同調して「宏池会」の解散を決めことから、麻生氏の怒りが爆発した。麻生氏は茂木氏と組み、岸田総理にことごとく逆らう動きを始めた。それが支持率低下と総裁再選に反対する動きを引き起こした。それにこれから岸田総理がどう反撃するかが見ものである。毎日新聞の調査で自民支持層ではまだ岸田総理が「次の首相にふさわしい」のトップである。

ジャーナリスト

1969年TBS入社。ドキュメンタリー・ディレクターや放送記者としてロッキード事件、田中角栄、日米摩擦などを取材。90年 米国の政治専門テレビC-SPANの配給権を取得。日本に米議会情報を紹介しながら国会の映像公開を提案。98年CS放送で「国会TV」を開局。07年退職し現在はブログ執筆と政治塾を主宰■オンライン「田中塾」の次回日時:7月28日(日)午後3時から4時半まで。パソコンかスマホでご覧いただけます。世界と日本の政治の動きを講義し、皆様からの質問を受け付けます。参加ご希望の方は https://bit.ly/2WUhRgg までお申し込みください。

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