岩手県盛岡市の郷土菓子「うちわ餅」NYタイムズにて2023年行くべき都市の伝統と歴史も頬張って
世界でも著名な新聞のひとつ、NYタイムズにて<2023年行くべき都市52カ所>に選出されたのが、岩手県盛岡市。本州で二番目に広大な面積を誇る岩手県の県庁所在地でもある盛岡市には、冷麺やジャージャー麺、ジンギスカン、喫茶店などのグルメはもちろん、街に横たわる雄大な北上川や雫石川などの自然から歴史情緒漂う街並みまで揃う、街歩きと観光にはもってこいの都市。
有名どころの美味しい食べ物は勿論ですが、郷土に根付いた味わいというのも歴史と一緒に味わっていただきたいところ。今回ご紹介するのは、そんな郷土菓子のひとつ「うちわ餅」。
例として、盛岡市茶畑にお店を構える「まるきょう製菓」さんのもの挙げてみました。
うちわ餅、別名、「お茶餅」とよばれるこちらの餅菓子。地元ではお茶餅と呼ばれることが多く、和菓子屋さんやスーパーや農協などでも販売されているローカルなおやつです。
楕円、もしくは団子型の平べったいうるち米粉を練り上げたお餅を割り箸などに被せ、焼き目をつけたものに胡桃タレをかけたもの。いくつか候補がありますが、お茶餅という名前は、この形状からうちわ餅とよばれていたものが訛ってお茶餅となったという説が主流といわれています。お茶の時間、すなわちおやつとして食べられていた、というのも理由のひとつかもしれませんね。
厳しい冬を越すため、岩手県では胡桃や胡麻といった良質な脂質を含む素材を使用したお菓子が多く、お茶餅にも胡桃が使用されています。お茶餅のタレは、すりつぶした胡桃に甘辛いタレを纏わせるのですが、そのタレも味噌ベースもしくは醤油ベースかのどちらかがお店によって異なります。まるきょう製菓さんのものはお醤油ベースのタレですね。
とろりとなめらかなお餅は、もちもちとした食感を咀嚼しながら楽しむというよりも、舌の上でタレとお餅が一体になり絡まり合うほど柔らかな口当たり。うるち米の甘味、お砂糖の甘味、それぞれ旨味を伴った甘味が口の中いっぱいに広がります。
また、油をひかずともくっつかないアルミホイルに乗せて、オーブントースターやグリルで軽く温めなおしてから頂くとより一層香ばしさが引き立つ出来立ての味を堪能することができます。
歴史の傍らには甘味あり。予約必須なお店も魅力的ではありますが、よりカジュアルでその土地の人たちの日常を体験できるような銘菓も満喫してくださいね。
ちなみに。都内では、東銀座にお店を構えるアンテナショップ「いわて銀河プラザ」さんにて、毎週水曜日から日曜日(変則あり)に入荷されております。
<まるきょう製菓>
岩手県盛岡市茶畑1-2-29
019-622-8645
9時30分~18時(定休日や他販売店はお店までお問い合わせ)
<いわて銀河プラザ>
東京都中央区銀座5-15-5 南海東京ビルディング 1階
03-3524-8282
10時30分~19時
東京メトロ日比谷線「東銀座」駅 6番出口すぐ
都営浅草線「東銀座」駅 A1より徒歩1分