勝利を盗まれた10戦全勝9KOのコロンビア人ファイター
91歳のドン・キングが手掛ける興行で、また疑惑の判定が見られた。
WBAコンチネンタル・アメリカズ・ミドル級タイトルマッチは、ニュージャージー州出身のイアン・グリーンが、コロンビア人挑戦者、アレキサンダー・カストロを2-1の判定で下し、王座を防衛した。スコアは、96-94、96-94、94-96。
だが、どう見ても、カストロが終始優勢に試合を運んでいた。
26歳のコロンビア人ファイターは治安の悪い街で育ち、貧しさと戦いながら成長した。いつも「次の食事はいつになるだろう?」と思いながら生きてきた。そんな彼を救ったのは16歳で始めたボクシングだった。
カストロは自身と家族に、より良い生活を手に入れるために努力し、栄光を掴もうと駆け上がってきた。祖国のコロンビアとメキシコで試合を重ね、ファンを増やした。今回が、初の米国での試合だった。
手数も多く、ファーストラウンドからフルスイングを繰り返してグリーンを苦しめた。それによってグリーンは左目をカットし、後手に回った。時折、接近戦で右アッパーに光る物をみせはしたが、劣勢だったことは否めない。
試合後、17勝(11KO)2敗となった勝者は語った。
「私のプランはボクシングをすることだった。1ラウンドにカットされた後、ガードを固めて前に出るだけだった。彼はハードにファイトしたね」
明白なホームタウン・ディシジョンで初黒星を喫することになったカストロ。この悔しさを、今後のリングパフォーマンスで晴らしてほしい。