「ローグ・ワン」ワールド・プレミア:やまない拍手、興奮、絶賛の声
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が、ついにお披露目された。
ワールド・プレミアが行われたのは、ハリウッドのパンテージス・シアター。この夜のために、ディズニーは、ハリウッド・ブルバードを5ブロックにわたって閉鎖し、屋根付きの長いレッドカーペットを用意している。セレブリティや大勢の人たちが集まるとあって、セキュリティは相当に厳しく、出席者には、事前に「大きなバッグは持ってこないように」「誰かの車に乗せてきてもらう場合、降車場所はここ」といった、かなり細かい指示が与えられた。
金属探知機をくぐり、持ち物チェックを終えると、実物大のXウィングが待ち構える。そこで人がたまらないようにするためか、「写真は映画上映の後にしてください」とスタッフが叫んでいたが、ケビン・スミス(『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』は、興奮してあちこちの角度から写真を撮り続けていた(ドレスアップしてきてくださいとの指示もあったが、彼はいつもの野球帽ルックだ)。筆者は目撃しなかったが、ほかにマイケル・ダグラスやクリスチャン・ベール、レイン・ウィルソンなどもいたらしい。
上映は、予定より30分遅い午後7時に始まった。上映に先立ち、ギャレス・エドワーズ監督あるいはルーカス・フィルムのトップ、キャスリーン・ケネディの舞台挨拶があると思っていたら、「レディース&ジェントルマン、『ローグ・ワン』です」というアナウンスと同時に場内が暗くなり、そのまま上映に入る。筆者は1週間前にルーカス・フィルム本社で行われた記者会見と、ルーカス・ランチでの30分のフッテージ上映にも参加したのだが、この時はエドワーズ監督の挨拶があった。「30分しか見せられないのがもどかしいよ。映画を全部見てほしいよ」と言う彼は、上映中、我々ジャーナリストとともに客席に座り、終わると自ら「全部見たい!全部見せて!」と叫んでいた。このプレミアでいきなり上映を始めたのも、「とにかく映画を見てくれ」という意図の反映だったのかもしれない。
自信の根拠は、すぐに証明された。レビュー解禁日は米西海岸時間13日(火)午前9時と厳しく言われているので、ここでは映画の内容についてあまり書けないが、2時間強の上映時間の間、少なくとも7、8回は、大きなどよめきや歓声が起こっている。ラストの歓声はとりわけ大きく、エンドロールが流れる中、観客は、それぞれの名前に対して喝采を送り、拍手はいつまでもやまなかった。
上映後のプレミア・パーティは、すぐ近くにあるクラブ。会場までも、またレッドカーペットを歩いて行くのだが、横を歩く人たちの会話を聞いても、多くの人が満足したことが伝わってきた。ツイッターにも、即座にさまざまな絶賛コメントが寄せられている。中には、「『フォースの覚醒』よりもさらに良かった」という投稿も。スミスも、「『ローグ・ワン』は、信じられないぐらい良いよ。嘘じゃない。『帝国の逆襲』ぐらい良い。『スター・ウォーズ』ユニバースのすばらしいチャプターだ」とツイートした。
すでにご存じの方が多いと思うが、「ローグ・ワン」は昨年公開された「フォースの覚醒」の続きではなく、「スター・ウォーズ」ユニバースにおけるアナザー・ストーリーという位置付けだ。時代的には、エピソード4「新たなる希望」の直前となるが、登場人物は新しく、これまで「スター・ウォーズ」を一度も見たことがない人でも、問題なく入っていける。主人公は、反乱軍の女性戦士ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)。ひと癖もふた癖もある彼女の仲間を、ディエゴ・ルナ、ドニー・イェン、チアン・ウェン、リズ・アーメッド、アラン・デュディックらが演じる。しかし、従来のファンを喜ばせる要素もたっぷりだ。
プレミアが大いなる盛り上がりを見せたのは間違いないが、実際に批評家がどう思ったのかは、13日になるまでわからない。公開初週末の興行成績は、北米だけで1億3,00万ドルから1億5,000万ドル、全世界で2億8,000万ドルから3億5,000万ドルと予測されている。
日本公開は16日(金)。