戦う会長・佐藤康光九段(51)か? 百折不撓・木村一基九段(48)か? いよいよ本日、王座戦挑決!
7月19日9時。東京・将棋会館において第69期王座戦挑戦者決定戦、佐藤康光九段(51歳)-木村一基九段(48歳)戦がおこなわれます。棋譜は公式ページをご覧ください。
本局の勝者は永瀬拓矢王座(28歳)への挑戦権を獲得します。
佐藤九段は今期、二次予選から参加。中村太地七段、佐々木勇気七段を破って本戦に進みました。
佐藤九段は本戦では西田拓也五段、三枚堂達也七段、飯島栄治八段を連破。挑決へと勝ち上がってきました。
木村一基九段は本戦からの参加。澤田真吾七段、高崎一生七段、石井健太郎六段に勝って挑決へと進みました。
現在の将棋界は渡辺明名人、豊島将之竜王、藤井聡太二冠、そして永瀬拓矢王座の「4強」の時代と言われています。
しかし今期王座戦本戦では1回戦で豊島竜王と藤井二冠、2回戦で渡辺名人が敗退しました。
挑決に勝ち上がったのは、実績十分のベテラン2人でしたた。
佐藤九段と木村九段の過去の対戦成績は、佐藤15勝、木村8勝です。
佐藤九段は3回、木村九段は1回、王座戦五番勝負に登場。いずれも対戦相手は羽生善治王座でした。
今回、五番勝負で待ってるのは両者よりはるか年下の永瀬王座。佐藤九段は永瀬王座に4勝3敗(3千日手)で勝ち越し。木村九段は永瀬王座に3勝3敗(2千日手)で指し分けです。どちらが五番勝負に登場しても、好勝負が期待されます。
今年度の成績は、佐藤九段は5勝3敗(勝率0.625)。木村九段は11勝6敗(勝率0.647)です。
佐藤九段は日本将棋連盟会長として多忙の日々を送っています。
タイトル通算13期の実績を誇る佐藤九段。もしタイトル戦登場となれば、2012年度王将戦七番勝負以来、久々のこととなります。
また、将棋連盟の現役会長がタイトル戦登場となれば、1986年、大山康晴15世名人(当時63歳)が名人戦七番勝負に登場して以来の快挙となります。
木村九段は2019年、46歳で悲願の初タイトルを獲得しました。
昨年2020年に藤井聡太棋聖(当時)の挑戦を受け、王位を明け渡しました。
「また一から出直します」
そう語っていた木村九段。1年経って、大きなチャンスがめぐってきました。
「どちらを応援したらいいのか困る」
「どちらにも勝ってほしい」
将棋ファンからよく聞かれる言葉です。この挑戦者決定戦もまたそうでしょう。
佐藤九段と木村九段。はたしてどちらを応援するファンが多いのか。これは筆者の見たところ、互角のように思われます。
いずれにせよ、充実著しい若き王座に挑む挑戦者は、圧倒的な声援を背に受け、五番勝負の舞台に臨むことになりそうです。