兵役で姿を消してから5か月…チャン・グンソクは今、どこで何をしているのか
韓国芸能界から久々に心温まるニュースが飛び出した。人気俳優のチャン・グンソクが、“チョッパン村”の住人たちに練炭1万3000個を贈ったというニュースだ。
“チョッパン”とは韓国では「狭い小屋」との意味で、チョッパン村はいわゆる低所得世帯が暮らす地域のことを言う。ソウルだけでも南大門(ナムデムン)や永登浦(ヨンドゥンポ)、敦義洞(トンイドン)などに、いくつかのチョッパン村が存在しており、毎年冬になると芸能人をはじめとする大勢の人々がチョッパン村を訪れ、練炭を運ぶボランティア活動をするのが韓国の冬の風物詩だ。
オンドル(床暖房)文化がある韓国では、昔から暖房燃料として練炭が広く使われてきた。
ただ、ガスボイラーが普及してからは使い終わった練炭の山を路地裏などで見かけることも少なくなったが、それでもチョッパン村のような一部の地域では冬になると今でも欠かせない生活必需品となっている。
ところが先月、韓国政府が練炭を最大19.6%値上げすると急遽発表。そのことをめぐって「チョッパン村への練炭の寄付が減少するのでは」という懸念の声が上がる中、チャン・グンソクが率先して寄付したわけだ。
(参考記事:俳優チャン・グンソク、兵役中にも関わらず練炭1万3000個を寄付)
もともと韓国芸能界に寄付文化が根付いている。
最近もガールズグループAOAのソリョンが多方面への寄付活動を行って話題になっていたが、チャン・グンソクの寄付は少し特別な意味を持つ。というのも、彼は現在、兵役の“服務中”であるからだ。
今年7月、チャン・グンソクが兵務庁の兵役判定検査で4級判定を受け、補充役として代替服務をすることになったというニュースが流れたときは、韓国はもちろん、日本も騒然だった。
韓国で兵役は過敏にならざるを得ない問題だけに、一部では兵役免除資格を得たのではないかという憶測も流れたこともあったほどだ。
(参考記事:「えっ、そんな理由で?」兵役を免除された20人の韓国芸能人を一挙紹介)
案の定、「一人息子だから優遇された」「兵役逃れではないか」など、さまざまな憶測が飛び交う中、チャン・グンソク側は「2011年に大学病院で“双極性障害(躁うつ病)”の診断を受けた」という個人情報まで公開した。
『韓流スターと兵役』(光文社新書)の著者で韓国の兵役事情に詳しい康 熙奉氏も、「韓国で兵役は非常にデリケートな問題。おそらく、兵役判定のことをそこまで表明したのは、チャン・グンソクが初めてではないですか」と語っていたが、そこまでせねば世論からの理解を得られないと判断したからだろう。
その後もチャン・グンソク側は慎重だった。人知れず4泊5日の社会服務基本素養教育を受けているし、配属先を訪ねるファンに厳重注意を行うなど、なるべく静かに平穏に兵役に服務してきた。
(参考記事:兵役チャン・グンソク「出待ち禁止」と「違反者は出入り禁止」の背景と妥当性とは?)
現在はソウル消防災難本部で粛々と与えられた職務に勤めているという。
そんな中で練炭寄付のニュースが明るみに出たこともあって、SNSなどでは「静かに服務している上に、善行まで。素晴らしい」「毎年かならずどこかに寄付するのを見ると、良い人のようだ」「地道に寄付を行なう姿が微笑ましい」といったコメントが、多く寄せられていた。
過去には、服務中の犯罪行為や兵舎からの無断離脱、休暇の使いすぎなど、芸能人の不真面目な服務態度が問題視されただけに、少なくとも今回のニュースでチャン・グンソクに良い印象を持っていなかった人々も、彼へのイメージを考え直すかもしれない。
韓国メディア『OSEN』の3月の報道によると、チャン・グンソクとファンクラブがこれまで寄付したのは「お米9万160キロ」「練炭1万8900個」「オムツ1万2840枚」などという。
チャン・グンソクはもともと慈善活動にも積極的で、毎年誕生日を記念して開催される写真展では募金箱を設置し、入場料も全額寄付してきた。母校の漢陽(ハニャン)大学在学中に12億ウォン(約1億2000万円)を奨学金として寄付し、名誉の殿堂に名前を連ねているのは有名な話だ。
同じく“寄付天使”として知られる東方神起のユンホが、昨年の除隊後にさらなる飛躍と善行で好感度を高めているように、チャン・グンソクも兵役期間終了後、長く世間に愛され続けるスターとなることを期待したい。