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「少し苦しい局面が長かった」藤井聡太王位(19)王位戦第4局勝利後コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

藤井聡太王位「(後手番で戦型は相掛かりとなり)▲2二角成から▲8八銀と8筋を受けずに進められるのは少し見えていない手順で。それに対して△4四角と打つようでは少し、こちらの角が負担になってしまう展開が多いのかなというふうに思っていました。(42手目△3三歩と受けたあたりは)1歩損なので少し苦しい形なのかな、というふうに思っていました。(58手目、封じ手△6二金のあたりは)常に歩損が残ってしまうので、そのあたりもやっぱり少し苦しいのかなと思ってました。(2日目午前中は)2一の桂が使えて少し主張が出てきたのかなと思ったんですけど、ただやっぱり玉の堅さにかなり差があるので。やっぱりちょっと自信がないのかなと思ってました。(2日目、昼休前後は)△5四銀打に代わる手があまり見えなかったので仕方ないのかなと思ってやってました。(92手目)△5六歩と突いたあたりは一応こちらの玉の広さが活きる展開に、少しなってきたのかなと思ってました。(98手目△3五同歩で)飛車を取ることができて少し指しやすくなったかなと思ったんですけど。そのあとなにか、明快な手がなかなかわからなくて。本譜ではあまりうまくいっていないな、と思いながら進めてました。ちょっとまぎれる順を選んでしまったような気がします。(一局を振り返って)序盤で△4四角と打ったんですけど、その角が負担になってしまって。少し苦しい局面が長かったかなと思うんですけど。(80手目)△7五歩から仕掛けていって、そのあたりから難しくなったのかなという気がします。また第5局、来週にすぐあるので、しっかりいい状態で臨めればと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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