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IBFミドル級タイトルマッチが決定

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Top Rank社からメディアに配布された試合の広告

 ニュージーランドの新星で、IBF3位にランクされるアンドレイ・ミハイロビッチが、同タイトルを懸けてカザフスタン人チャンピオン、ジャニベク・アリムハヌリに挑戦する。10月4日にオーストラリア、シドニーに建つ『ザ・スター』が会場に決まった。

2012年9月1日、フェリックス・シュトルムを下してWBA/IBF2冠王者となったゲール
2012年9月1日、フェリックス・シュトルムを下してWBA/IBF2冠王者となったゲール写真:ロイター/アフロ

 IBFミドル級タイトルマッチがオーストラリアで催されるのは、2013年1月30日にシドニーの『エンターテイメント・センター』で、ダニエル・ゲールとアンソニー・ムンディンがオーストラリアン同志として対決した以来である(ゲールが3-0の判定勝ちで防衛)。

アンソニー・ムンディンは勝利するとバック宙を披露した
アンソニー・ムンディンは勝利するとバック宙を披露した写真:ロイター/アフロ

 アリムハヌリvs.ミハイロビッチ戦は本来、今年の7月13日にラスベガスで開催される予定だった。が、チャンピオンが脱水症に陥ったため、中止となっている。

 カザフスタン出身で2016年リオ五輪に出場したサウスポー王者、アリムハヌリの戦績は、15戦全勝10KO。2022年5月21日にWBOタイトルを手にし、3度目の防衛戦でIBFタイトルを保持していたビンセンツォ・グアルティエリをKOして2冠王者となった。

 一方、ロシアのサンクトペテルブルクで生まれ、ニュージーランドで育った挑戦者、ミハイロビッチも21戦全勝13KOだ。15歳でボクシングを始め、2018年4月にプロに転向している。

96年アトランタ五輪で銅、2000年シドニーで金メダリストとなったイブライモフ
96年アトランタ五輪で銅、2000年シドニーで金メダリストとなったイブライモフ写真:ロイター/アフロ

 チャンピオンは言った。

 「シドニーオリンピックでは、ベクザット・サタルハノフとイェルマハン・イブライモフという2人のカザフスタンのボクサーが金メダルを獲得した。彼らは祖国に多くの感動を与えた。私も彼らのようになりたい。祖国を称賛させたいという夢を持って育った。

 だから、シドニーで世界タイトルの防衛戦ができることを嬉しく思う。2000年のオリンピックチャンピオンのように、私はシドニーの地でカザフスタンの旗を掲げたい。

 アンドレイとの戦いは私にとって非常に重要だ。彼は本物の挑戦者だからだ。今の彼は、私にとって雲のような存在だ。太陽を見るためには早く雲を取り除かなければならない。その作業は、私にとって楽な仕事だ。誰もが知っているよな。早目に、ヤツをノックアウトしてやるぜ!」

提供:イメージマート

 挑戦者も話した。

 「俺は今を生きている。でも、彼の過去は記憶に留めている。彼をチャンピオンとして尊敬しているが、野郎は俺を見下している。それは承知の上だ。だからこそ、ヤツから全てを奪い取ってやる。そして歴史に俺の名を刻んでやる。そういう運命にあるんだ。俺の人生の全てでもある。世界中にアンドレイ・ミハイロビッチの名を覚えてもらうために、出来る限りのことをするよ」

 さて、どんなファイトになるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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