なると金時の魅力がそのまま和菓子に「福寿芋」はたねやさんイチオシのさつま芋餡たっぷりの焼饅頭
まだまだ厳しい暑さが続きますが、次第に夜の時間が増えてきたことで秋を実感している今日この頃。そしていよいよ本格的に到来してくるであろう「食欲の秋」。足音は聞こえてきませんが、デパ地下やお菓子屋さん、パン屋さんなんかでは一足先に秋の味覚を使用した美味しいものが姿を現し始めましたね。
和菓子屋さんでも栗やかぼちゃ、はたまた今月29日の十五夜を見据えたうさぎのお饅頭、もしくは9月9日の重陽の節句に向けた菊を模したお菓子が登場しはじめていますが、忘れてはいけない秋の味覚といえば「さつまいも」!羊羹やきんつば、お饅頭などさつまいもを使用した和菓子は数あれど、今回は和洋菓子双方を得意とする「たねや」さんより発売されたなると金時の焼饅頭「福寿芋」をご紹介。
焼き芋をそのまま輪切りにしたような形。しかも真ん中の最も身が詰まっているであろう徳島県産なると金時の美味しいところをぎゅっと濃縮したような贅沢感。
実はこちらの福寿芋、平成初期の発売当初はさつまいもの細長い形をそのまま焼き菓子にしたような、もっと大ぶりなお菓子でした。しかし、ロスが多いことなど商品を見直したさいに改善したいという点がいくつか見つかり、2022年に一言では語りつくせないような試行錯誤を繰り返し現在の形へとリニューアル。それにより、配合はほぼ変わらないのに以前よりも格段にさつまいも感が上昇したそう。まさに努力の結晶です。
皮の部分の焼き目がほんのり香ばしくほろ苦さもわずかに感じられるところが、一層焼き芋の皮の部分を彷彿とさせ、お菓子の中にリアルなさつまいもの存在を強調しているようなユニークな一面も。
個人的に推したいポイントがございまして、それは「桂皮末」を使用しているというところ。シナモンと変わらないんじゃないの??と思う方、実は違うんです。
桂皮末とシナモンは似ていますが、木の種類が異なります。華やかで上品な芳香はどちらかというとスリムなスタイルで、素早く鼻腔を通り抜けます。また、仄かにぴりりとした余韻が舌に残り、柔らかなさつまいも餡をぐっと引き締めてくれ、柔らかな食感と刺激交互にまた味わいたくなります。
しっとりとした和菓子ならではの食感と、なると金時のほくほくとしたふくよかな食感で、おやつの時間に秋の訪れを添えてみませんか?