沖縄付近で顕在化する熱帯擾乱は、また”ノロノロ牛歩状態”に?
台風11号はまっすぐ西進へ
台風11号はフィリピンを東から西へ横切り、南シナ海を西北西へ進んでいます。このあともまっすぐ西進を続け、中国大陸南部からベトナム方面を指向する見込みです。現在、南シナ海の海水温が31度以上あり、非常に強い勢力に発達して直撃する可能性が高くなっていて、影響が心配されます。
騒がしい太平洋
タイトル画像をみると、台風11号の他に、2つの熱帯低気圧が発生しています。上図は、あす4日(水)午後9時の予想天気図ですが、1の熱帯低気圧は越境台風になる可能性もありましたが、どうやら熱帯低気圧のまま、このあとは衰弱していく予想です。2の小笠原付近の熱帯低気圧もあまり発達することなく、北緯30度付近に到達したあとは、衰弱する予想です。
そして2の熱帯低気圧を追うように、3の熱帯低気圧があす4日(水)午後9時までに発生する見込みで、再び小笠原付近まで北上する予想です。ただこの熱帯低気圧もあまり発達する予想はないものの、週末にかけての動きには、念のため、ご注意ください。
さらにあす4日(水)午後9時の予想天気図にはまだ現れませんが、このあと、日本の南から沖縄付近で、新たな熱帯擾乱(ねったいじょうらん)が顕在化する計算が多く、状況次第では、日本付近に長時間、影響する可能性もあります。
新たな熱帯擾乱が発生予想
上図は、日本のGSMモデルで、6日(金)頃には、沖縄の南付近で、新たな熱帯擾乱が顕在化し、7日(土)から8日(日)にかけて、徐々に発達する計算です。ただこの熱帯擾乱の位置や勢力については、不確実性がかなり大きく、もっと東寄りの本州の南あたりで顕在化を予想するモデルや熱帯擾乱すら発生しないモデルがあるなど、動向が様々となっています。ただもし顕在化した場合は、また動きがかなり遅い”牛歩熱帯擾乱”となるかもしれません。(関連記事)
太平洋高気圧に囲まれ、またノロノロも?
上図は8日(日)夜の太平洋高気圧と熱帯擾乱の予想をみたもので、沖縄付近の熱帯擾乱の周りを太平洋高気圧が取り囲んでいる状態です。このため、もし熱帯擾乱が顕在化した場合は、どちらにもなかなか動くことができずに、先日の台風10号と同じく、ノロノロの”牛歩熱帯擾乱”となることも考えられます。このあたりは不確実性がかなり大きいため、最新の情報にご注意ください。