”牛歩台風10号”は東海地方へ、次の台風とみられる熱帯擾乱は沖縄付近へ北上か?
”牛歩台風10号”は東海地方へ
台風10号は、きょう1日(日)午前6時現在、東海道沖にあって、ほとんど停滞しています。鹿児島県に上陸してから3日経つのにまだ本州付近をうろうろしている、かつてないような”牛歩台風”です。今後はゆっくりと北寄りに進み、今夜には三重県付近に達した後、あす2日(月)午前6時までには、北陸に近づきつつ、熱帯低気圧に変わる見通しです。
その後は、偏西風に乗り、あす2日(月)夜にかけて、速度を上げながら東日本から東北南部を通り、ようやく日本の東海上に抜ける見通しです。
まだ大雨は油断禁物
台風10号周辺の雨雲も、一時よりはだいぶ勢いがなくなりましたが、それでもまだ所々に活発な雨雲を伴っていて、けさは伊豆半島や神奈川県で、雷を伴った激しい雨の降っている所があります。
今後も、台風10号あるいは変わった熱帯低気圧が通過するあす2日(月)にかけて、東海や関東甲信を中心に大雨となる所がありそうですから、引き続き、土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒が必要です。
フィリピン沖の熱帯低気圧が発達しながら北上か
タイトル画像にある通り、フィリピンの東海上と日本のはるか東海上(西経域)に熱帯低気圧が発生しています。このうち日本のはるか東の熱帯低気圧は、あす2日(月)からあさって3日(火)にかけて日付変更線を西進し、越境台風となりそうですが、日本に近づくことはありません。(関連記事)
一方、フィリピンの東海上にある熱帯低気圧は、諸外国を含む多くのモデルの計算で、今後発達し、台風とみられる勢力となる予想です。参考までに上図は日本のGSMモデル(左図)とアンサンブル予報(右図)で、GSM予報では、6日(金)午前9時には、台風とみられる勢力で、沖縄の南に北上する予想です。
この時点のアンサンブル予報をみると、台風とみられる熱帯擾乱の中心である赤い丸が沖縄の南にまとまっていて、このあたりまで北上してくる計算は比較的そろっている感じです。そして沖縄付近から東寄りに転向するのかしないのかは太平洋高気圧の勢力が鍵を握っています。
東寄りに転向はしない?
6日(金)昼の太平洋高気圧の予想をみると、東の海上から本州付近には太平洋高気圧が張り出す予想となっていて、この予想の通りとなれば、台風とみられる熱帯擾乱は、西寄りにカーブし、大陸へ向かうことになるでしょう。
ただ台風10号の時もそうでしたが、この太平洋高気圧の盛衰は変わることが多々ありますので、今後も最新の予想を注視しなければなりません。