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NBAファイナル第2戦、魂のこもったマイアミ・ヒートの逆転勝利

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
23得点したゲイブ・ビンセント(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 まさに「これぞNBAファイナル!」というような熱戦だった。最終Qが始まった折、マイアミ・ヒートは75-83でビハインドを負っていた。第一戦で黒星を喫しているヒートは、連敗する訳にいかなかった。たとえ、AWAYゲームで会場全体が敵だとしても。

 苦しみながらも東地区王者となったヒートは、第4Qの12分間を36-25で競り勝ち、ファイナルを1勝1敗のタイとした。今季のポストシーズンでヒートが12点以上の差を付けられながら逆転するのは、7度目だ。この粘り強さが、ファイナルまで進ませたのだと納得する勝利だった。

 

 PGのゲイブ・ビンセントが23得点、SFのジミー・バトラーとCのバム・アデバヨがそれぞれ21得点と、マイアミにとってはしてやったりの内容。かつチームワークの良さを発揮した。

21得点を挙げたジミー・バトラー
21得点を挙げたジミー・バトラー写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 「NBAファイナルには地元の利がある。マイアミが残りの3つのホームゲームに勝てばチャンピオンになれるぜ!」と主張する記者もいる。まだ気が早いが、それほどマイアミ・ファンの胸を打つゲームだった。

初戦でトリプルW、第2戦で41得点したヨキッチ
初戦でトリプルW、第2戦で41得点したヨキッチ写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 とはいえ、第3戦はナゲッツもこの悔しさを晴らすべく、全員が鬼となってコートに入るだろう。特にこの日41得点と気を吐いた211cmのナゲッツのセンター、ニコラ・ヨキッチは初戦に続き絶好調だ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20230603-00352191

バム・アデバヨも21ゴール
バム・アデバヨも21ゴール写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 この第2戦でヒートは、35本中17本の3Pを成功させた点が大きかった。ヒートはプレイオフ4試合で、17本以上の3Pを成功させている。レギュラーシーズンで34.4%の3Pシュートを放ち、プレイオフではベストシューターの一人となったタイラー・ヒーローが右腕の手術で欠場中であるにもかかわらず、3P成功率を39.1%まで上げた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 現地時間7日に行われる第3戦は、マイアミが会場となる。まだまだ行方は分からない。ただ、磨き抜かれた技と技、闘志と闘志のぶつかり合いは、バスケットボールの醍醐味を伝えてくれる。

 これだからNBAを見ずにはいられない。次戦も熱戦に酔えるに違いない。

 

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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