NBAファイナル第1戦で爆発した211cmのセンター
ついに今季のNBAファイナルが始まった。西地区の覇者、デンバー・ナゲッツのホームで行われた第1戦は、フランチャイズの大声援を背に受けたナゲッツが、マイアミ・ヒートを104-93で下した。
ナゲッツのエース、ニコラ・ヨキッチは27得点、10リバウンド、14アシストの大暴れ。同チームがNBAファイナルに進出するのは初めてのことで、その力強さにファンは酔いしれた。
デンバーのファンは、長年、恋焦がれていた地で初日にトルプリダブルをマークしたセルビア人センターの名を、生涯忘れることはないだろう。ヨキッチは、NBA史上唯一、ファイナルのファーストゲームでトリプルダブルを達成した選手としてジェイソン・キッドと並ぶこととなった。
そんなヨキッチのプレーが功を奏し、ナゲッツは序盤から主導権を握る。リズムを崩すことなく、3Qには24点もの差をつけた。
PGのジャマール・マレーも26得点、6リバウンド、10アシストをマーク。地区ファイナルの4試合で平均32.5得点している。鋭く戦況を見詰めながらゲームメイクする様は、躍動感に満ちている。
マレーはドラフト7位でナゲッツに入ったが、ヨキッチは全体41位。つまり2巡目のコールだった。2人は共に、NBA入りしてからナゲッツ一筋でプレーしている。そんな主軸の活躍に、デンバーは狂喜乱舞した。
一方のヒートは、やはりボストン・セルティックスとの7連戦の疲れが残っていた。3連勝後の3連敗。しかも、最終戦から中2日でファイナルに進んだのだから当然である。
206cmのセンター、バム・アデバヨが26得点、13リバウンド、5アシストと奮闘したが、チーム全体としてアウトサイドからのシュートが、なかなか決まらなかった。
デンバーが放ったシュートは79、そのうち40本を決めた。対するマイアミは96分の39。この舞台で雑なプレーは通用しない。
先手を取ったデンバーが、このまま波に乗るか。あるいは東の王者が巻き返すか。今年も目が離せないファイナルだ。