ネイマールのバルサ復帰の可能性は?必要な監督交代以上の劇薬とは。
ネイマールのバルセロナ復帰の噂が再び立ち上っている。今季開幕前、リオネル・メッシらの願望を考慮に入れ、バルセロナはネイマールの再獲得に動いていた。だがパリ・サンジェルマンとの交渉は一筋縄ではいかず、結果的にメッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの「MSN」再結成の夢は絶たれた。
ネイマールがバルセロナを去ったのは、2017年夏のことだ。契約解除金2億2200万ユーロ(約266億円)が支払われ、「史上最大の移籍」が成立した。
■復帰の可能性は
ただ、ここにきて、「ネイマールはバルセロナにイエスと言った」(『3月21日スポルト紙』)と報じられているように、再び復帰報道が熱を帯び始めている。
FIFAの規約に、一定期間を過ぎた場合、選手あるいはクラブには一方的に契約を解消することができるという条項があり、それに則って移籍を目指すという。バルセロナ側は移籍金1億8000万ユーロ(約216億円)でネイマール獲得が可能だとみているようだ。
今季途中にエルネスト・バルベルデ前監督を解任してキケ・セティエン監督を招へいしたバルセロナだが、苦しい状況が続いている。バルセロナは1月のスペイン・スーパーカップ準決勝でアトレティコ・マドリーに敗れ、その敗戦がきっかけとなりバルベルデ前監督との契約を解除した。
しかし、セティエン監督就任後、バルセロナは12試合8勝1分け3敗という戦績である。セティエン監督の勝率は66%だ。今季のバルベルデ前監督の勝率は62%だった。明らかな改善の兆しは見えていない。
■必要な劇薬
必要なのは、監督交代以上の劇薬ーー。ゆえに、ネイマールの復帰報道が過熱するのだろう。契約解除金2億2200万ユーロ(約286億円)という置き土産を残していったとは言え、ネイマールの退団の仕方は決して良いものではなかった。実際、2017年夏に彼を「裏切り者」「守銭奴」扱いする声は少なくなかった。
ネイマールはバルセロナ在籍時に公式戦186試合に出場して105得点76アシストを記録した。1試合平均0.56得点、0.4アシストという数字を残している。
サントス時代には、公式戦134試合に出場して70得点35アシストを記録。1試合平均0.52得点、0.76アシストという数字だった。メッシの2番手に甘んじるのが嫌だったために移籍を決断したといわれているネイマールだが、1試合平均得点数はサントス時代よりバルセロナ時代の方が上だった。
■バルトメウ会長の立場
リーガエスパニョーラ第25節エイバル戦、第27節レアル・ソシエダ戦、試合前に一部のバルセロニスタはジョゼップ・マリア・バルトメウ会長ら理事会に対して抗議をする意味合いで、白いハンカチを振った。
「バルトメウ、辞職すべきだ!」そういった声まで、バルセロナの本拠地カンプ・ノウに響いていた。
引き金となったのは、バルセロナとI3ベンチャーズという名のPR会社との契約解除だ。スペインのラジオ局『カデナ・セール』の報道で、このPR会社がリオネル・メッシやジェラール・ピケといった現所属選手やシャビ・エルナンデス、カルレス・プジョールといったOBに対して攻撃的なメッセージを発信していたことが明るみに出た。
新型コロナウィルスの影響で、リーガは第27節終了時点で一時中断している。だがネイマールをめぐる「狂想曲」は、しばらく終わる気配がない。