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45本以上の本塁打王は、打点王も獲得している!? ジャッジはどちらもトップ、大谷は1位と1位タイ

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)Sep 8, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、51本のホームランを打ち、125打点を挙げている。大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、46本塁打と101打点だ。ジャッジのホームランと打点は、どちらもア・リーグ・トップ。大谷は、ナ・リーグ1位と1位タイに位置している。

 ナ・リーグとア・リーグにおいて、45本以上のホームランを打ち、本塁打王を獲得した選手は、延べ91人を数える。彼らのうち、そのシーズンの打点王は、42人だ。あとの49人は、打点王を逃している。後者のほうが、少し多い。前者が46.2%、後者は53.8%だ。

 また、91人の本塁打王を、50本未満(45~49本)の53人と50本以上(50~73本)の38人に分けると、そのシーズンの打点王は、50本未満が53人中20人(37.7%)、50本以上は38人中22人(57.9%)となる。

 50本以上のホームランを打ち、それがリーグで最も多くても、40%以上の選手は、打点王を逃している。38人-22人=16人、38人中16人=42.1%だ。

筆者作成
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 なかでも、1996年のマーク・マグワイアは、ア・リーグの打点トップ10にも入っていない。このシーズンの52本塁打は、2位のブレイディ・アンダーソンと2本差。一方、113打点は、打点王のアルバート・ベルより35打点少なかった。ベルの48本塁打は、リーグ4位だ。

 60本塁打以上の本塁打王も、打点王は6人中3人だ。しかも、70本塁打以上の2人、1998年のマグワイアと2001年のバリー・ボンズは、どちらもそのシーズンの打点王になっていない。

 1998年のナ・リーグは、ホームランのトップ2が70本のマグワイアと66本のサミー・ソーサ、打点のトップ2は158打点のソーサと147打点のマグワイアだ。2001年のナ・リーグは、73本のボンズと64本のソーサ、160打点のソーサと146打点のトッド・ヘルトンがトップ2。137打点のボンズは、4位に位置した。ちなみに、ホームランと打点の3位は、57本塁打と142打点のルイス・ゴンザレスだ。

 また、2019年にピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)が記録した53本塁打と120打点は、ナ・リーグ1位と3位。打点王のアンソニー・レンドーン(当時ワシントン・ナショナルズ/現ロサンゼルス・エンジェルス)に6打点差をつけられ、フレディ・フリーマン(当時アトランタ・ブレーブス/現ドジャース)より1打点少なかった。レンドーンのホームランは、リーグ17位タイの34本。アロンゾより19本少なく、アロンゾの3分2に届かなかった。フリーマンは、7位タイの38本塁打を記録した。

 9月8日を終え、ホームランと打点のア・リーグ2位は、それぞれ、39本塁打のアンソニー・サンタンダー(ボルティモア・オリオールズ)と106打点のホゼ・ラミレス(クリーブランド・ガーディアンズ)なので、ジャッジと2位の差は、12本塁打と19打点だ。

 大谷は、次いで多い、37本塁打のマーセル・オズーナ(ブレーブス)に9本差をつけている。打点のトップ3は、101打点の大谷とウィリー・アダメス(ミルウォーキー・ブルワーズ)に、98打点のオズーナ。4位のカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)も、93打点を挙げていて、トップの2人との差は一桁の8打点だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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