温泉ライターの泉よしかです。

群馬県の草津温泉には大型旅館や大型ホテルがたくさんありますが、今回ご紹介するのは客室数わずか5室という知る人ぞ知る「極楽館」。最初日帰り入浴して、気に入ったので後日泊まりました。そして泊まってさらに気に入ったのでぜひ紹介したいと思います。

なんとここは草津温泉では珍しい自家源泉の宿なんですよ。さらに同じ建物内に「ノイエポスト・ダイニング」というカレー屋さんが営んでいて、夕食にそこのカレーを食べるのもオススメなんです。

ちなみに日帰り入浴も可能です。

そんな「極楽館」では何故か一番狭い浴室が人気とのこと。ちょっとその秘密を探ってみましょう。

湯量豊富な草津温泉で、実は自家源泉の宿はけっこう少ない

温泉の自然湧出量日本一を誇る草津温泉。温泉街の中心部には巨大な湯畑が湯けむりを上げていて、それを目の当たりにしただけで底知れない温泉のパワーを感じます。

この湯畑から湧いているのが「湯畑源泉」。このほかに草津温泉には膨大な湯量を温泉街に供給する「万代鉱源泉」、草津最古の歴史を持つ「白旗源泉」、最近話題の裏草津で湧く「地蔵源泉」、西の河原で湧く「西の河原源泉」があり、だいたいこの5つの源泉のいずれかをホテルや旅館では引いています。

日帰り温泉の「大滝の湯」で入れる「煮川源泉」、一部の旅館やペンションに引かれている「綿の湯」といった少しレア度の上がる源泉もありますが、自家源泉持ちで、自分の所でしか入れないというお宿は数えるほどしかありません。

その一つが「極楽館」。ここは「大日の湯」という貴重な源泉を所有しています。

場所は西の河原通りと湯滝通りが合流する角地

湯畑からぶらぶらと「西の河原通り」または「湯滝通り」を「西の河原公園」方面に向かって歩いてくると、ちょうど二つの通りが合流した正面の角に「極楽館」が建っています。湯畑から徒歩約3分と、便利な場所です。

1階はカフェ「ノイエ・ポスト」が、階段を上がった2階はレストラン「ノイエポスト・ダイニング」が営業しているので、一見すると宿泊施設だと気づかないかもしれません。

「極楽館」の3つのお風呂の紹介！

「極楽館」のお風呂は3つ。全て貸切風呂です。大型旅館の大浴場や大露天風呂のようなものはありませんが、その代わりにプライベート感満載。家族やお友達と他の人に気兼ねすることなく入れるお風呂です。
貸切風呂を独占して入りたいという人にはむしろオススメです。

お風呂には上の画像の渡り廊下を通って行きます。

すると暖簾が3ヶ所に掛かっています。右から「極（きわみ）」「楽（たのし）」「一坪（ひとつぼ）の湯」。
日帰り利用の場合は受付でお風呂を選んで入浴します。宿泊の場合は空いていれば好きな時に好きなお風呂に入れます。宿泊中何度でも利用できます。

右側のお風呂から紹介しましょう。一番右は「極（きわみ）」。2人ぐらいで入るのにぴったりのサイズ。窓が二面にあるので昼間に入ると明るい印象です。

窓と窓の間の角には大日如来様。源泉名が大日の湯ですから、大日如来様に感謝して入浴しましょう。

酸性の草津温泉らしい酸っぱさを感じるお湯で、もちろん源泉掛け流し。
ちなみに大日の湯は現在35～37度程度のぬるめの温度で湧いているそうで、入浴に適した40～42度になるように西の河原源泉を少し足しています。水道水を足したり沸かしなおしたりはしていません。

次は真ん中の「楽（たのし）」の貸切風呂。こちらは窓は一面ですが、お風呂のサイズは「極（きわみ）」とそれほど違わないでしょうか。

「一坪の湯」は小さい浴槽にざぶざぶのお湯を供給

最後が一番左の「一坪の湯」です。浴室に入った瞬間、思わず「小さいッ」と思ってしまいます。一人でも圧迫感を感じるほど。

しかし湯口から出ているお湯の量は、浴槽サイズに不釣り合いな投入量。おかげで入った端からざぶざぶと溢れて床に洪水をおこします。

これが一番小さな「一坪の湯」が人気の理由でした。浴室や浴槽は狭いけど、温泉の量が贅沢なんです。

もちろん「極（きわみ）」や「楽（たのし）」で使われる量が少ないわけではありません。一般の温泉旅館と比べても、浴槽に対して多い方だと思います。

でもそれ以上に「一坪の湯」は多い。リピーターに人気があるのも納得です。

お部屋など「極楽館」の館内を紹介

お風呂以外の「極楽館」についても紹介します。

お部屋はたったの5室。泊まった時は冬だったのでコタツが置いてありました。コタツがあると足に根が生えちゃいます。Wi-Fiも快適につながりました。

泊まった部屋の広縁からは、西の河原通りの喧騒が見下ろせました。

湯上がりに過ごしたい和モダンな雰囲気の休憩室。落ち着いて読書もできます。

基本は素泊まり、夕食は2階の「ノイエポスト・ダイニング」がオススメ

「極楽館」は素泊まり専用のお宿です。だから夕食も朝食も温泉街の飲食店に食べに行ってもいいのですが、実は館内から一歩も出なくても困らないんです。

夕食にオススメなのは2階のレストラン「ノイエポスト・ダイニング」。わざわざ外の入口に回らなくても、館内から直通で行かれるドアもあります。

「ノイエポスト・ダイニング」はカレーの美味しいレストランで、ビールとおつまみも充実しています。

注意点があるとすれば、夜の営業は19時までと少し早めなので、早めに夕食にしないとクローズしてしまう点。

朝食はカフェ「ノイエ・ポスト」で無料サービス

素泊まりとはいっても、朝食は1階のカフェ「ノイエ・ポスト」でモーニングセットが無料サービス。これはオトクです。

モーニングセットの内容は、サンドイッチ＋自家製ドレッシングのニンジンサラダ+特製バナナ・オレ+コーヒーまたは紅茶。サンドイッチは「自家製タルタルとジューシーベーコン＆レタスのサンド」「特製ハムとシャキシャキレタスのサンド」「ロング・プレーンドッグ」の3種類から選べます。

なおこれらのモーニングセットは、外来のお客さんも1,000円で食べられます（8時～10時）。

※メニューは変更になることもあります。

まとめます。草津温泉の「極楽館」は、湯畑から徒歩5分の自家源泉のお宿。客室数は5室で、お風呂は貸切風呂が3つです。その中でも温泉好きに人気があるのが一番小さな「一坪の湯」。理由は小さな湯舟にたっぷりの温泉がザバザバと掛け流しになっているから。

素泊まりの宿ですが、無料朝食付き。夕食は2階のカレーが美味しいレストランで食べることもできちゃいます。日帰り温泉も利用可能。草津の穴場としてお勧めです！