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シャンプーでウールが洗える!知っていると役立つ素材別の洗剤選びと洗い方

ハナおうちクリーニング(洗濯)研究家

こんにちは、おうちクリーニング(洗濯)研究家のハナです。

ウールはおしゃれ着用洗剤でしか洗えない?

いいえ、どの家にもあるシャンプーやリンスでも洗濯洗剤以上に美しく仕上げることができます。

素材を知れば使える洗剤もわかってきます。

本日は一生困らない家事スキル

素材別、洗剤の選び方と洗い方です。

コットン(綿・木綿)

綿花を原料とした天然繊維

とても強い素材なので、洗濯機でざぶざぶ洗えて普段着に向いています。

上質なコットンガーゼは洗うたびに柔らかく肌触りがよくなっていくので、赤ちゃんの肌着にも安心して使えます。

通気性がよく、ニオイがこもりにくいのも特徴で、汗のニオイや体臭が気になる人に向いている素材。

推奨洗剤はオールマイティ

弱アルカリ性洗剤、中性洗剤など

水にも洗剤にも強い素材なので、基本的には洗剤を選ばず洗えます。

ただ生成りやパステルは蛍光剤が入っている洗剤を使うと色が抜けたように見えるため、真っ白い衣類以外には蛍光剤が入った洗剤は避けたほうが無難

コットンのメリット

・吸水性に優れている

・体臭を抑える効果がある

・夏は涼しく、冬は暖かい

・熱に強い

コットンのデメリット

・シミが付きやすすく、ついてしまうと落としにくい

・シワになりやすい

・毛羽立ちやすく、どころどころ白く色が抜けたように見えることがある(白化現象)

麻(リネン、ラミー)

植物性の天然繊維。

麻にはリネンとラミーの2種類あって、リネンは家で洗えますがラミーは自宅で洗うと独特の光沢が失われてしまう場合があるので、クリーニング店にお任せすることをおすすめします。

吸水力や発散性にとても優れているので夏物衣類に使われることが多いです。

【リネン】=マットな質感で、昔からヨーロッパで使用されてきた麻
【ラミー】=光沢感があり、主にアジアで使用されてきた麻

推奨洗剤はおしゃれ着用

水にも強く、素材としての強度も高いので弱アルカリでも中性の洗剤でも問題なく洗えます。

ただナチュラルな雰囲気の色合に染められていることが多く、蛍光剤や漂白剤は使えません。

なので、洗剤選びに自信がない方は「おしゃれ着用洗剤(中性)」を使って洗うと間違いありません。

麻のメリット

・通気性、吸湿性、放湿性に優れている

・シミが付きにくく、落としやすい

麻のデメリット

・シワになりやすい

・色落ちしやすい(特に濃い色は要注意)

・毛羽立ちが起こりやすい

ウール(羊毛)

羊の毛を原料とする天然繊維

細かい繊維が複雑に絡み合い、空気を多く含むことで冬は暖かく、サマーウールは気化熱によって涼しく着用できます。

冬のイメージが強いウールですが、じつは一年中使える便利な素材なのです。

推奨洗剤は「おしゃれ着用洗剤(中性)」

弱アルカリ性の洗剤はウールのタンパク質を分解するので使えません。

推奨洗剤はおしゃれ着用洗剤(中性)ですが、より高い洗浄力を求めるなら人間用のシャンプーもおすすです。

ウールは人間の髪の毛に近い性質を持っているので、シャンプーで洗ってもキレイに仕上がります。

ウールのメリット

・弾力性、保湿性、吸水性に優れている

・シワになりにくい

ウールのデメリット

・縮みやすい

・虫に食われやすい

・重みがある

・静電気が起こりやすい

カシミヤ

インド北部のカシミール地方に生息する山羊の産毛を原料とする天然繊維

カシミヤの特徴としては「軽い」「温かい」「肌ざわりが良い」「光沢」などあり、とくに肌ざわりは素晴らしくウールのようにチクチクしません。

繊維の宝石などと称される最高級の天然素材

繊維が細く柔らかいので肌が弱い人でもチクチクせずに安心して着用することができるのが特徴です。

推奨洗剤は「おしゃれ着用洗剤」

弱アルカリ性の洗剤はウールの主成分であるタンパク質を分解し、縮みの原因になるので厳禁です。

「おしゃれ着用洗剤」で洗えますが、より洗浄力を求めるなら「ドライクリーニング用洗剤」や「シャンプー」もおすすめです。

カシミヤのメリット

・軽くて暖かい

・肌ざわりが柔らかく、ウールのようにチクチクしない

カシミヤのデメリット

・毛玉ができやすい

・虫に食われやすい

シルク(絹)

蛾の幼虫である蚕が繭をつくるために体内で作りだす2種類のタンパク質(フィブロイン、セリシン)を原料とした動物性繊維。

独特の光沢から、古来より「最も美しい繊維」「繊維の女王」などと称されてきた高級繊維

肌を保湿してくれるので、マスク荒れなどで悩んでいる方はシルクのマスクを試してみるといいですよ。

私は肌荒れが解消しました。

推奨洗剤は「おしゃれ着用洗剤(中性)」

基本的にはおしゃれ着用洗剤を使って手洗い推奨です。

汚れがひどい場合などはドライクリーニング用洗剤を使うとツヤ良く美しく仕上がります。

ウールやカシミヤ同様、主成分のタンパク質はアルカリで分解されるので弱アルカリ性の洗剤は使えません

シルクのメリット

・吸水性、保湿性に優れている

・熱伝導率が低いので、夏は涼しく、冬は温かい

・シルク(絹)に含まれるシルクアミノ酸は紫外線を吸収し肌を守る

・静電気が起こりにくい

シルクのデメリット

・摩擦に弱い(ダメージを受けやすい)

・紫外線を吸収するため、光変色が起こりやすい

・価格が高い

ポリエステル

石油を原料とした合成繊維

原料はポリエチレンテレフタレートという樹脂を糸状にしたもので、ペットボトルと同じ素材です。水にも洗剤にも強く、漂白剤も使えます。

化学繊維には珍しく熱にも強いので、プリーツなど熱を使った加工にも向いていて、価格も安価。

推奨洗剤は「弱アルカリ性」の洗剤

強い素材なので、弱アルカリ性でも中性洗剤でも洗剤を選ばず使えます。

ただし、速乾をうたった機能性スポーツウェアなどは汗を素早く蒸発させる代わりにニオイがこもりやすく、ニオイがついてしまったらなかなか落とせません。

なので、機能性スポーツウェアには汗や皮脂汚れに強い「弱アルカリ性」の洗剤がおすすめです。

※洗濯表示に「中性洗剤」の指定がある場合を除く

ポリエステルのメリット

・軽くて丈夫

・熱に強い

・シワになりにくい

・摩擦に強い

ポリエステルのデメリット

・毛玉が発生しやすい

・再汚染が起こりやすい

・静電気が起きやすい

レーヨン

木材パルプを使った再生繊維

シルクに似た光沢と手触りを持っている美しい素材です。

レーヨンは人工繊維ではありますが、天然素材(木材パルプ)を使っているために吸湿性、放湿性にすぐれ夏でもサラリと着ることができます。そのためレーヨンを使ったアロハシャツは人気があります。

コットンよりも吸湿性に優れている反面、水を吸水してしまうと繊維が膨張して縮みやすい性質を持っています。

推奨洗剤は「ドライクリーニング専用洗剤」

レーヨンはとても水に弱い素材。水に長く浸けると縮みやすいのです。

軽い汗くらいの汚れなら、おしゃれ着用洗剤で手洗いできますが、汚れが気になる場合はおしゃれ着用洗剤では洗浄力が足りません。

短時間(5分くらい)で汚れが落とせるハイベックなどのドライ専用洗剤がおすすめ。

レーヨンのメリット

・吸湿性、放湿性に優れている

・安価でシルクに似た質感と光沢がある

レーヨンのデメリット

・水を吸水すると縮みやすくシワになりやすい

ナイロン

石油を原料とした合成繊維

素材としてはとても強く少々乱暴に洗っても大丈夫ですが、ポリエステルと違って熱に弱いという特徴があるため乾燥機はご法度です。

アイロンも低温でしかかけられません。

干す際も日光に直接当てると黄色く変色してしまうので要注意です。

強さが必要なリュックやアウトドア用品、雨具などにもナイロンはよく使用されます。

推奨洗剤は弱アルカリ性

ナイロンは耐薬品性に優れているので弱アルカリ性、中性のどちらでも問題なく使えます。

酸性に弱いですが、洗濯洗剤で「酸性」はかなりレアケース(「除菌ができるアリエール」くらい)なので、洗剤選びはあまり心配しなくてもいい素材。

色落ちの心配もほとんどないので、リュックやアウトドア用品など汚れがひどい場合、油がついてしまった衣類には油汚れなどをよく落とす食器用洗剤を使うのもおすすめ

ナイロンのメリット

・水にぬれても水をほとんど吸わないので乾きが早い

・弾力性がありシワになりにくい

・カビが生えにくい

ナイロンのデメリット

・熱に弱い

・酸性に弱い

アクリル

アクリル繊維はポリエステルやナイロンとともに「3大合成繊維」と言われていて石油を原料とする合成繊維です。

ウールに似せて作られた合成繊維で、ふっくらと柔らかく暖かいのが特徴。

ウールと違って虫食いの心配も洗濯による縮みもほとんどありません。

推奨洗剤はおしゃれ着用洗剤

アクリルは水にも洗剤にも強い素材で、洗濯による縮みもほとんどありません。

ただ、他の衣類と一緒に洗って絡まったものを無理やり引っ張ると伸びたまま戻らないというのも特徴です。

また、摩擦による毛玉も発生しやすいので、できれば洗濯ネットに入れておしゃれ着用洗剤で優しく洗ったほうが安心です。

ウールが洗えるコースなら洗濯機でも洗えます。

静電気が起こりやすいので、できれば柔軟剤は使ってください。

アクリルのメリット

・保温性に優れている

・強度があり、耐久性に優れている

・発色が鮮やか

アクリルのデメリット

・吸水性、吸湿性に劣る

・毛玉ができやすい

・静電気が起きやすい

ファー(毛皮)

原料は動物の毛

保温性、吸湿性、通気性に優れていて防寒具に使用されています。

※リアルファーは、動物の命を犠牲にして作られたものです。頭ごなしに否定はしませんが、使い捨てにしたりせず、大切に使いましょう。

毛皮のコートなどは家では洗えませんが、ファーを使った小物は自宅で洗うことも可能です。

推奨洗剤はシャンプー&リンス

ファーは人間の髪の毛と同じような構造になっているので、シャンプーとリンスを使って洗うことができます。

水にぬれたファーは繊維が切れやすくとてもデリケートなので、赤ちゃんの髪の毛を洗うように優しく手洗いが基本です。

摩擦にも弱いので柔軟剤、もしくはリンス(コンディショナー)も使ったほうが安全です。

ファーのメリット

・保温力、耐水性、通気性に優れている

ファーのデメリット

・摩擦に弱い

ダウン(羽毛)

ダウンは水鳥の羽毛を原料としており、軽くて温かいというのが特徴です。

羽毛は空気をたくさん含んで層を作り体温を逃さないために防寒具として人気があります。

推奨洗剤は中性洗剤

原料が水鳥の羽なので水には強く、表面がポリエステルなどの水に強い素材なら洗濯機で洗うことも可能。

その場合は羽毛の飛び出し防止として目の細かい洗濯ネットを使ってください。

弱アルカリ性の洗剤は羽毛のタンパク質を分解してしまうので、必ず中性洗剤を選びます。

柔軟剤は羽毛の表面を油分でコーティングしてしまうため、本来羽毛が持っているふんわり感を阻害します。

羽毛布団やダウンジャケットを洗う場合は柔軟剤は使いません。

ダウンのメリット

・吸放湿性に優れている

・温かく軽い

ダウンのデメリット

クリーニング店ではドライクリーニングになるが、水鳥の羽はドライクリーニングの溶剤である油に弱いです

クリーニングに出す時はできればウェットクリーニングコースを指定してください。

素材別 洗剤選びと洗濯方法のまとめ

いろいろ考えすぎると難しくなってしまう洗剤選びですが、

・動物性(ウール、カシミヤ、シルク、羽毛、ファーなど)の素材には弱アルカリ性を避ける。

・生成りやパステル色の服には蛍光剤を避ける

この2点に注意すると失敗はグッと減ると思います。

大切な衣類を洗う時は、裏面の成分や液性を少しだけ気にしてみてください。

小さくて読みにくいいんですけど(泣)

おうちクリーニング(洗濯)研究家

年間100以上の洗濯グッズを自腹で試すおうちクリーニング(洗濯)研究家。世の中に当たり前のようにある洗濯に関する常識が本当なのか?売れている商品は本当に使えるのか?そんな疑問を実際にやってみて、誰もが目に見えるかたちで公開するブログ「洗濯ラボノート」を運営。雑誌「LDK」、「LEE」、「Mart」、「大人のおしゃれ手帳」など多数掲載。関西を中心にテレビにも出演。 苦手を「できる!」に変える洗濯の裏技やグッズを紹介します。

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