パニック障害とは何か? 原因と治し方
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、「パニック障害とは何か? 原因と治し方」についてお話したいと思います。
パニック障害とは、パニック発作を起すことへの不安感・恐怖心が増して、外出などが制限される精神疾患です。
パニック障害は、パニック発作を起こしたことがある人、特に繰り返し起したことがある人がなる病気なのですが、ごくまれに、パニック発作を起こしたことがない人でもパニック障害になることがあります。
パニック障害は、不安障害の一種です。
以前、私は、不安障害は、ストレスによって生じると言いました。
よって、パニック障害もストレスによって生じている精神疾患と言っていいです。
で、この場合の「ストレスとは何か?」ということになるのですが…、
それは、「パニック発作を起こすのではないか?」という不安感や恐怖心がストレスとなって、それでパニック障害を発症させているということになります。
だから、「パニック発作を起こすことなんて、怖くも何ともない」という心境を持つことが出来れば、パニック障害は回復に向かうということです。
でも、パニック発作を起こしたことがある人から言わせれば、「不安感や恐怖心を持つな」というのは、「とっても無理」ということになります。
次に、「パニック発作とは何か?」ですが、
パニック発作は、突然前触れもなく、
今から読みあげる13項目のうち、4つ以上の症状が同時に起こる心の病です。
1.心臓のドキドキ
2.発汗
3.からだの震え
4.息切れや、息苦しさ
5.のどに何かつまったような窒息感
6.胸の痛み、胸のあたりの不快感
7.吐き気、おなかのあたりの不快感
8.めまい、ふらつく感じ、気が遠くなるような感じ
9.今、起こっていることが現実ではないような感じ
10.コントロールを失って気が狂ってしまうのではないかという恐れ
11.このまま死んでしまうのではないかという恐れ
12.からだの一部がジンジン、ビリビリとしびれる感じ
13.寒気、または熱っぽい感じ
以上です。
一生のうち1回だけパニック発作を起こす人は、9人に1人ぐらいと言われています。そのうちの4分の1から3分の1程度の人がパニック発作を繰り返し、パニック障害へと進展します。
発症年齢は、男女共、20~30歳代が多いです。
女性のほうが、パニック障害になることが多く、その数は、男性の2~3倍と言われています。
続いて、
パニック発作を起こす原因については、まだ明らかにはされていません。
パニック自体は、死への危険を察知して、警告を発信し、生き延びるための反応であると考えられています。たとえば、災害や敵など、命の危機に直面した時、脈が早くなったり汗をかいたり、恐怖で血の気がひき、手足が震えたり、大声で叫び、逃げ出したくなったり…、等の反応は、生命の危険から逃れるためのものと言えます。
そうではなく、「何もないのにも関わらず、パニック発作を起こすというのは何なんだ?」ということになるのですが、今のところ、それは脳の誤作動ではないかと考えられています。そして、その誤作動は、過労や睡眠不足や身体の不調、ストレスなどが引き金となって起こるのではないかと言われています。
では、今日のまとめです。
パニック障害は、パニック発作を起こしたことがある人が、「またパニック発作を起すのではないか?」という不安や恐怖心から起こる心の病です。
パニック障害の治し方
私(竹内成彦)は、パニック障害のクライアントがいらっしゃったら、まずは来談者中心療法を使います。クライアントの辛さにしっかり共感・理解し、そして励まし支えます。クライアントを否定したり非難したりしないことが大切です。
パニック障害の方は、カウンセラーから、自分の辛さをわかってもらえたという体験が、グンと症状を回復に向かわせます。
次に私は、
パニック発作を起こさないためのテクニックをお伝えします。
パニック障害の方は、「パニックを起こしそうだな」と思うと、そのことに意識が集中してしまう傾向があります。そんな時には、「パニック発作は起きない」と心の中でつぶやくことが大切です。
そして、足で地面をしっかりとらえて、下半身に重心をおろし、胸を張って、やや上を向いて深い呼吸を繰り返すのです。そうすれば、パニック発作の恐怖から逃れることに成功し、実際に、パニック発作も起きなくなります。
それでも、「パニック発作が襲ってくる」という恐怖心から逃れられないようだったら、周囲の景色をしっかり観察するようにするといいでしょう。「右手には、赤い屋根の家があるなあ。目の前には、病院の看板があるなあ。左手には犬が歩いているなあ」等。実際に、レポーターになった気分で自分の周りの様子を心の中で実況中継すると良いでしょう。
他には、本を読むとか、スマホゲームに熱中するという手もあります。とにかくパニック発作の恐怖から、気を紛らわせるのです。
今言った3つの方法は、大変に効果的なので、ぜひ試してみてください。
パニック発作は、「パニック発作が、起きそうで起きなかった」という体験が自信となり、ますますパニック発作が起きにくくなります。そして、パニック発作を起さないという自信が、パニック障害を完治に向かわせます。
今、ご紹介した方法は、ひとりでも出来る方法です。
誰かと一緒にいた場合は、その人に、自分から積極的に話しかけてみるといいでしょう。「休みの日は何しているの?」でもいいし、「今のあなたのマイブームって何?」でもいいです。とにかく、パニック発作の恐怖に囚われないことが大切です。
あと、大切なことですが、パニック障害の方には、「パニック発作で、気が狂うことはないし、死ぬことはない。そして、パニック発作は、せいぜい10数分で収まると」いうことは、ぜひ知っておいて欲しい事実です。そのことをしっかり理解しておけば、パニック発作を必要以上に恐れなくなります。この恐れの手放しが、さらにパニック障害を完治に向かわせます。
行動療法的アプローチとは、
パニック障害のクライアントは、パニック発作を恐れるあまり、自分で生活を制限させてしまっていることが少なくないです。こういうパニック発作が起こる恐れから、やるべきことをしなかったり、やらなくてもいいことをやっている場合は、人に支えてもらってでも、薬物を使ってでも、電車に乗るなどして、段階を追って、普通の人が普通に出来ることを、練習する必要があります。電車に乗ってもパニック発作を起こさない…という体験が、自信となり、パニック発作を完治に向かわせます。
パニック障害は、不安障害の一種です。
不安障害の一種なので、ストレスがなくなれば、良くなります。
パニック障害の方が抱えるストレスとは、「また、あの恐ろしいパニック発作を起こすのではないか?」という不安感や恐怖心になります。
よって、「パニック発作なんか起きない」「起きたとしても、怖くも何ともない」という心境を持つことが出来れば、パニック障害は回復に向かうということです。
というわけで、今日は以上です。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。