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「現金払い」か「カード払い」どっちがトク?海外では現金を全く使わないって本当?

花輪陽子シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)
写真はイメージ(ペイレスイメージズ/アフロ)

現金の流通量とカード決済の国際比較2015によると、現金の流通量対GDPは日本19.4%に対してシンガポール9.6%、英国3.7%、スウェーデン1.7%など。国際決済銀行(BIS)傘下の決済・市場インフラ委員会(CPIM)のメンバー国の中で日本の現金比率は突出して高くなっており、キャッシュレス化が急速に進行しているスヴェーデンの11倍に達します。

しかし、各種カードの一人当たりの合計保有枚数を各国・地域別にみると、日本では一人当たり平均で7.7枚が保有されており、CPMIメンバー国の中(平均2.8枚)では、シンガポール(約10枚)に次ぎ二番目に多いことが分かります。カードで支払いをする金額は大きくないけれども、カードは何枚も持ち歩いているということになります。クレジットカード、デビットカード、電子マネーの一人当たり保有枚数は、いずれも平均2枚を超えていて、CPIMメンバー国平均を上回っているのです。

私はよく働く女性のお財布鑑定をすることが仕事上あるのですが、平均的にキャッシュカードを2〜3枚、クレジットカードを2〜3枚、電子マネーを2〜3枚持ち歩いている人が多い印象です。キャッシュカードにもJ-Debit機能やVisaデビットが付いているとデビットカードとしてカウントされ、またSuicaなどの電子マネーも計上されるので枚数は増えます。カード枚数が多いシンガポールでも銀行のキャッシュカードを作ると自動的にVisaデビットなどのデビットカードが付いており、交通系のカードや学生カードなどにも電子マネーが付いているので枚数がかさばります。

さて、現金払いとカード払いとではどちらがおトクなのでしょうか。クレジットカードやデビットカードなどのカード払いにすると消費が増えるという数々の調査が出ています。その反面、カードで払えばポイントが付いたり、キャッシュバックを受けることもできたりもします。金融先進国のシンガポールや香港などではカード払いによる還元率などインセンティブが非常に大きく、達人は10枚以上のカードを使い分けていたりもします。

カード社会が進んでいる国や地域では日常の小さな買い物はデビットカード払い、大きな買い物はクレジットカード払い、現金払いはチップやカード払いができない小さな小売店でのみといった使い分けが進んでいます。カード払いのもう一つのメリットとして、記録が残るということが挙げられます。つまり、家計管理が容易になるのです。レジに並ぶ時間も少なく、タッチしてピッで決済される場合もあって便利で安全です。

どの程度をカード払いにするとよいかはお金管理のレベルにもよります。初心者さんも少なくとも税金の支払いや保険料の支払いなど必ず支払わなければならない費用に関してはカード払いにしてポイント還元を受ける方が得策です。しっかり管理ができる人、カードだからと使い過ぎない人はカード払いにする割合を上げていっても良さそうです。

シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

外資系投資銀行を経て、スイスのファミリーオフィスでウェルスマネジメントに従事。日本人の海外移住や資産運用、海外富裕層の日本移住のサポートも。著書に『世界標準の資産の増やし方』(東洋経済新報社)、世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏の翻訳書を多数出版、『ホンマでっか⁈TV』等TV出演多数 お仕事の依頼は fp@yokohanawa.com へお願いします。花輪陽子のシンガポール富裕層の教え https://www.mag2.com/m/0001687882.html 花輪陽子のnote https://note.com/yokohanawa 

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