台風14号と秋雨前線のセット 九州は長丁場の大雨にも警戒
台風14号は上海付近で停滞後、東へ動き出す
台風14号は猛烈な勢力ではなくなりましたが、きょう12日(日)午前7時現在、中心気圧935hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの非常に強い勢力で、台湾の東海上を北寄りに進んでいます。
タイトル画像をみると、コンパクトながらもしっかりとした構造で、台風の眼もハッキリと見えていますが、暴風域の半径はわずか85キロしかありませんから、引き続き、竜巻のような性質を持った台風だということが出来るでしょう。
台風14号は非常に強い勢力を維持したまま、きょうの昼過ぎに与那国島地方に最も接近する見込みで、与那国島地方では比較的短い時間ですが、最大瞬間風速65メートルの猛烈な風が吹き荒れるおそれがあります。
なお今夜以降、東シナ海へ入った後も北上を続け、あさって14日(火)午前3時頃には上海付近へ到達する見込みですが、このあたりから周りを高気圧に囲まれるようになり、台風を流す上空の風が弱まってしまうため、身動きが取れずに、しばらく同じような場所に停滞する見込みです。
16日(木)日中以降は、徐々に高気圧が弱まるため、ようやく東寄りにゆっくりと動き出し、17日(金)午前3時頃には黄海付近を北東方面に進んでいる予想です。
その後、18日(土)から19日(日)頃にかけて、本州付近を東進する可能性が大きいとみられますが、このあたりはまだ不確実ですから、今後も最新情報にご注意下さい。
秋雨前線も発生で、九州付近では長丁場の大雨も
昨夜、九州付近に秋雨前線が発生しました。
これは台風14号周辺の湿った空気と大陸からの秋の涼しい空気がぶつかり合って出来たもので、台風が離れていても、この秋雨前線付近では雨雲が発達しやすく、度々大雨となることがあるため、台風と秋雨前線のセットは危険なセットと言えます。
上述しているように今回は台風14号の動きが大変遅く、しばらく停滞してしまうため、同じように秋雨前線も九州付近にしばらく停滞することが予想されており、場合によっては、台風14号が通り過ぎる今週末まで九州付近では断続的に激しい雨に見舞われるおそれがあります。
長丁場の大雨に警戒が必要です。
台風が離れていても油断せず、最新の雨の状況を気象庁のキキクル(危険度分布)などにより確認し、自治体からの避難情報なども確認するようにして下さい。