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百折不撓・木村一基九段(48)粘って藤井聡太三冠(19)を追い上げ勝敗不明の終盤戦に B級1組順位戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月20日。東京・将棋会館において第80期順位戦B級1組5回戦▲藤井聡太三冠(19歳)-△木村一基九段(48歳)戦がおこなわれています。

 藤井三冠先手で、戦型は相掛かり。木村九段が決断して飛車を切ったのに対して、藤井三冠は木村陣にと金を作り、大きく優位に立ちました。

 藤井三冠の公式戦通算勝率は0.839(239勝46敗)です。

 順位戦に限ればなんと0.955(42勝2敗)。これだけの強者を相手に不利になれば、心が折れそうなところにも思われます。そしてあきらめてしまうと、将棋は簡単に負けてしまうようです。

 しかし百折不撓の木村九段は耐えて崩れません。決め手を与えず、逆にじりじりと差を詰めていきました。

 ABEMAの「勝率」表示は一時期、藤井74%でした。しかし藤井三冠が55手目を指した時点では53%。これはもう、勝敗不明といえる数字です。

 本局は最後、どのような結末を迎えるのでしょうか。

 本日おこなわれた将棋日本シリーズJTプロ公式戦2回戦▲糸谷哲郎八段-△永瀬拓矢王座戦は、永瀬王座が盤石の強さを見せ、92手で勝ちました。

 藤井三冠は25日におこなわれる千田翔太七段戦で勝つと、準決勝で永瀬王座と当たります。

 木村九段はあさって22日、王座戦五番勝負第3局で永瀬王座と対戦します。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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