ブルーシートでテントが作れる?【DIY】庭に6ヶ月間テントを張って耐久性を検証
ブルーシートはキャンプでもグランドシートや日除けに使える便利なアイテムです。
でも、何となく青いブルーシートを使っていると「安っぽくて貧乏くさい」というイメージがあります。
ところが、最近は青色だけでなく、自然の景観に溶け込む色や目立つ原色のシートもあって、一見しただけではブルーシートだと気付かない事もあります。
そこで、青色以外のシートを使えばオシャレなテントも作れるのでは?
という思いから、今まで合計で4張りのとんがりテントを製作しました。
ここでは、ブルーシート製テントの作り方と使ってみて感じた改善点について紹介します。
素材の種類
ブルーシートは合成樹脂の「ポリエチレン(PE)」と呼ばれる素材で作られています。
表示されている数字には意味があり、#1000、#2000、#3000と数字が大きくなるほど、生地が厚くて重くなります。
その中でも#3000は流通量が多いせいか、丈夫な割に価格が安いのでキャンパーの間では良く使われています。
特にテントの下に敷くグランドシートには最適です。
また、紫外線に強いUV加工や燃えにくい難燃加工をしたシートもあります。
そして、ブルーシートの中で最上級ではないかと感じているのは「スノーテックス・スーパークール」というシートです。
4作目のテントは、このシートで作りました。
ただ、通常のブルーシートより価格は4倍アップします。
テントの形
ブルーシートでテントを作るなら、簡単な五角錐のワンポールテントがおススメです。
A4やB5サイズのコピー用紙のような白銀比の紙ならオリガミの要領で簡単に折ることができます。
折り方は最後に紹介する動画をご覧ください。
完成すると五角錐の立体になります。
最後に合わさったラインに出入口を作れば、縫製する箇所は一つのラインだけで済みます。
ただ、ブルーシートはパッケージに表示されている寸法が正確ではないという欠点があります。
なので実測して白銀比の寸法で図面を描く必要があります。
テントの作り方
ブルーシートはハサミで簡単に切ることができます。
切り過ぎてしまわないようにご注意を。
コピー用紙で折る五角錐と同じ要領でブルーシートも同じ形にします。
テントの頂上になる部分にベンチレーションを作ります。
換気窓があれば、湿気や空気より軽い有毒物質をテントの外に排出することができますからね。
余ったブルーシートで雨よけのフードも作ります。
両面テープで固定した後に手縫いすれば、外れることはありません。
手縫い作業には「イージーステッチャー」という道具を使用しました。
イージーステッチャーは革製品を縫う道具なので固いブルーシートでも簡単に針を通すことが出来るのです。
ステイク ループ
テントの裾にステイク ループを取り付けます。
ステイクループはペグを引っ掛けてテントを地面に固定する輪っか状のベルトのことです。
「ハトメの方が簡単じゃない?」と思われるかも知れません。
しかし、巨大なテントが風を受けると想像以上の力が掛かり、ハトメは簡単にちぎれてしまいます。
ブルーシートを円形に切り取ったパーツを半分に折って両面テープで接着し、PPテープをループ状にしたものを縫い付けています。
テントは五角形ですが、一辺の間にもループを追加して合計11か所(出入口は2か所)に取り付けています。
出入口
出入口を簡単に作るなら、脱着可能な結束バンドを使う方法があります。
ハトメを作って結束バンドで止めるだけです。
製作は簡単なのですが、風雨や紫外線に弱いという欠点があります。
そして、出入口の長さが決まったら、そこから天井部分まで縫えばテントの形になります。
頂上部の補強
そして、ワンポールテントを作る際に一番の課題となる頂上部の補強。
最初に試したのは円形のゴム板を円錐にしてコーキングで接着するという方法です。
このままでは弱いので、更にコーキング材を詰めて強化します。
また、ゴム板でなくても、ペットボトルでも代用できます。
ペットボトルの飲み口を切り取って、その内側にコーキングを充填すれば作れます。
ポールは物干し竿
テントのポールは「物干し竿」を流用します。
この物干し竿は2本に分割されていますが、1本は伸縮するので長さは最大で3メートルになります。
そして、物干し竿の先端は尖っているので内径32mmのキャップをハメて平らにします。
直径が緩い場合はビニールテープを巻いて調整します。
テントの立て方
テントの立て方は、とっても簡単。
テントの裾に取り付けた11か所のステイクループをペグで地面に打ち付けます。
そして、物干し竿でテントの内側から頂上をグイっと持ち上げたら完成です。
ODグリーン色のテントなので、自然の景観とマッチします。
テントの中は、かなり広いです。
入口を全開にすれば開放感もあります。
ベンチレーションが開いている換気もバッチリです。
改善点
毎年、冬からゴールデンウィークまで自宅の庭にテントを張って耐久性を検証した結果、以下の欠点に気付きました。
①やっぱり頂上部が弱い
②出入口が壊れる
③ポールの滑る
①頂上部補強の改善
テントの頂上部分だけで総重量を支えていると、ブルーシートの生地にも負担が掛かります。
基本的にブルーシートは伸縮しない生地なので、負荷を与えて生地が伸びてしまうと元には戻りません。
特に頂上部分から地面(ペグ)までのラインは強いテンションが掛かっているので劣化しやすくなります。
4シーズンを越すと紫外線と過負荷でシートの表面がボロボロに剥がれました…
そこで、5本のベルトでポールを支える構造に変更しました。
ベルトは地面から頂上部まで、しっかりとテンションがかかっています。
しかし、テントの生地はベルトにのっている状態なので、それほど引っ張られていません。
ベルトで支えられた構造なのでパラソルのような使い方も出来ます。
②出入口の改善
複数人でテントを利用すると、ひっきりなしに出入口が開閉されます。
繰り返し開閉するので貧弱な出入口だと直ぐに壊れてしまいます。
取り付けは面倒ですが、やはり出入りが簡単なファスナーが良いですね。
現在の自作テントには「5VS ビスロン リバーシブル オープンファスナー 200cm」を手芸屋さんで購入して取り付けています。
ファスナーは幅広で日本製の強いものがおススメです。
③ポールの滑りを改善
物干し竿はパイプの繋ぎ目をひねると長さをロックすることができます。
しかし、強風が吹いた時はテントの天井に強烈な負荷が掛かるので、物干し竿のロックが耐え切れずに徐々に滑り始めます。
そこで、物干し竿の直径に合うパイプバンドで締めて固定の補助をします。
最後に
ブルーシートで作るテントは製作費用が安いのですが、ものすごい「労力」と「作業時間」が必要になります。
また、シートのポリエチレン素材には接着剤が使えないので修理が難しく、伸縮しないのでテントを綺麗に張るには技術も必要です。
そして、自作したテントは重くて、かさ張るといったデメリットもあります。
しかし最大のメリットは、自宅の庭に張ると「大人の秘密基地」として贅沢な時間が過ごせるという点です。
コロナ禍でも、このテントのおかげでストレスなく過ごすことが出来ました。
お子さんがいるご家庭なら、「親子でテント作り」も楽しいと思いますよ。
こちらは「スノーテックス・スーパークール」でテントを作っている様子を紹介した動画です。