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【NHL】レギュラーシーズン今夜開幕! イースタンの本命は昨季の王者ワシントン!! ではないようです

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
スタンレーカップを掲げるアレックス・オベチキン(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 NHLのレギュラーシーズンが今夜(現地時間)開幕します!

 今季の開幕日には、昨季の王者 ワシントン キャピタルズ が、ホームアリーナにボストン ブルーインズを迎える試合をはじめ、カナダでは「トロント メイプルリーフス vs モントリオール カナディアンズ」戦と、「バンクーバー カナックス vs カルガリー フレイムス」の試合。

 さらに、アメリカの西海岸でも、「サンノゼ シャークス vs アナハイム ダックス」という、常に激しい戦いが繰り広げられる”ライバルバトル”が開幕カードに選ばれました。

▼ワシントンは2連覇を達成できるか!?

 開幕日に試合を行う8チームの中で、最も注目が集まるのは、何と言ってもワシントン キャピタルズ!

 それもそのはずで、昨季のチャンピオンに輝き、スタンレーカップ(NHLの優勝トロフィー)を初めて手にしたからです。

 過去のチャンピオンチームを振り返ると、レギュラーシーズン終盤のトレードデッドライン(トレードをすることができる最終日)の前に戦力アップを目ろみ、若手選手やドラフト指名権と引き換えに、下位に低迷しているチームから優勝経験のあるベテランやチームの弱点を補う有力選手を獲得。

 スタンレーカップを勝ち取るための切り札を、トレードで迎え入れる補強策が毎年見られます。

 しかし、トレードに出される有力選手たちは総じて年俸が高かったり、元のチームから引き継いだ契約期間が、シーズン終了後に満了となることが多く見られます。

 さらに、優勝したあとの契約交渉では、多くの選手が年俸アップになるため、全ての選手と再契約を結ぶのは極めて難しいのが実情です。

▼GMの目利きが冴えた

 ところが、ワシントンのオフの動きを見ると、ディフェンシブFWとしての働きが光っていたジェイ・ビーグル(現バンクーバー カナックスFW・32歳)と、バックアップ(控えが中心の2番手)GKのフィリップ・グルバウワー(現コロラド アバランチGK・26歳)こそ、チームを離れたものの、ほとんどの優勝メンバーが今季も在籍。

 就任4季目(優勝時)のブライアン・マクレランGM(59歳)の目利きが冴えて、大きな戦力ダウンは見られないことから、ワシントンファンの連覇への期待は高い模様です。

▼開幕目前にモチベーションがアップ!

 一方、ワシントンの優勝メンバー(選手、コーチ、チームスタッフ)も、オフの間にスタンレーカップ(NHLの優勝トロフィー)を携えて、故郷やゆかりの地に戻って凱旋パレードを催すなどして、喝采を浴びました。

 さらに、開幕前には優勝リングが全員にプレゼントされ、

 スタンレーカップにも優勝メンバーの名前が刻まれました(下段)。

 それだけに、ワシントンの選手たちは開幕目前にモチベーションが一気にアップし、バック・トゥ・バック(2連覇)達成への意気込みを強めた様子です。

▼イースタンの本命はワシントンではない!?

 しかし、ワシントンの2連覇を予想する声は、多くありません。

 開幕が目前に迫った今月1日に、NHLがオフィシャルサイトを通じて発表した現地メディア18人の予想を見ると、イースタンの本命は「タンパベイ ライトニング」!

 実に18人のうち「13人」が、イースタンのチャンピオンはタンパベイだと予想しています。

 残る5人の予想に目を転じると、ピッツバーグ ペンギンズと、トロント メイプルリーフスが、それぞれ「2人」。

 残る一人は、ボストン ブルーインズ を予想し、ワシントンの2連覇を予想するメディアは、、、「0」

▼昨季も本命ではなかった

 とはいえ、昨季の開幕前の予想でも、ワシントンは本命ではなかったものの、スタンレーカップを勝ち取ったとあって、選手たちは全く気にはならないようです。

 「ワシントンが優勝する!」と、ずっと主張し続けていたカナダのアイスホッケー専門誌のシニアライターが、予想を変えた途端に初優勝を達成したとあって、むしろ歓迎しているかも!?

 初優勝に導いたバリー・トロツ ヘッドコーチ(HC/現ニューヨーク アイランダーズHC)が、年俸交渉の決裂によってチームを離れたため、HCへ昇格したトッド・リアデン(47歳・前アソシエイトコーチ)の下、”本命ではない王者”は、どんな戦いを繰り広げるのでしょうか。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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