HSPが感じやすい不安とは?「不安神経症」との関係について解説!
こんにちは、精神科医しょうです。
「不安神経症」は全般性不安障害とも呼ばれる疾患で、何が不安なのかはっきりとした対象や原因もなく、漠然とした不安感にさいなまれ、それがほとんど毎日、数週間から数カ月間続くことがあります。
発症のメカニズムは解明されておらず、「心配性の人がなりやすい」「完璧主義な人は要注意」などの指摘もありますが、特にそうでなくても発症することがあるんです。
心身に負担がかかることが多いと考えられるHSPさんも、例外ではありません。
ストレスになるような出来事がきっかけとなって、いつの間にか発症してしまうと慢性化してしまい、適応障害やうつ病などを併発する恐れがあります。
強い不安が続き、自分ではコントロールができないと感じた時点で、早期に専門の医療機関で相談することが求められます。
そこで今回は「不安神経症」について、HSPさんの視点で解説したいと思います。
HSPさんが漠然と感じやすい「不安」と「不安神経症」とは?
HSPさんは「人の感情に敏感」「共感しやすい」「物事を深く考えてしまう」など、不安を感じてしまいやすい特徴を持っています。
特に対人関係においてのストレスの感じ方は人一倍強く、蓄積すると不安神経症を発症する要因になるかもしれません。
そこで、HSPさんが日常生活の中で漠然と感じる不安について、いくつかあげてみたいと思います。
・人が自分のことをどう思っているのか、不安になる
・何ごとも失敗したら終わりだと思ってしまう
・人から見捨てられることが怖い
・先々のことまで決まっていないと不安になる
・事故、災害、病気など、自分に降りかかるかもしれないと思うと眠れなくなる
他にも、自分の親や子どもの行く末が不安、将来が不安などと、あれこれ考えてしまい、他人が抱く感情と自分が抱いている感情を同一視してしまう傾向もあります。
他人の人生も心も自分とは別物だと切り分けて考えられるようになると、頭が整理でき生きやすくなります。
「不安神経症」の症状と受診の目安は?
ありもしない不安や悲観的な予測が漠然と続くと、自律神経の乱れや感情のコントロールがきかなくなり、生活の質が低下します。
たとえば、身体症状としては動悸や頻脈、冷や汗、めまい、頭痛が、精神症状としては落ち着かない、ソワソワする、イライラするなどを感じることは、生きた心地がしないくらいツライ!と感じることすらあります。
不安神経症を発病すると、こうした症状が毎日続くため、可能な限り早期に医療機関を受診する方が賢明でしょう。
なお、病を発症している時は冷静な判断が難しいことも多いため、日頃から信頼のおけるパートナーや家族、友人に自分のことを理解しておいてもらう必要があります。
身近な人に相談が難しい場合は、自分に合ったカウンセラーを頼ると良いでしょう。
受診の目安としては、漠然とした不安感と一緒に身体症状が表れた時点で、一度受診することをオススメします。
また、不安神経症は回復に時間がかかる病気だということを、念頭に入れておくようにしましょう。
HSPさんに向いたリフレッシュ方法とは?
不安神経症を発症しないためには、できるだけストレスを発散し、心身をリフレッシュさせる必要があります。
しかし、HSPさんの場合はつい「頑張ってしまう」ことが多いため、リフレッシュではなく、ストレスを蓄積させるような趣味や習い事を選んでしまうこともあるようです。
他人からどう評価されているか?ではなく、自分の心が豊かになり余裕を持って取り組めるようなものを選ぶ方が良いでしょう。
・成果が求められるものはやめておく
発表会や試合など、日頃の成果を人前で披露する機会があるものは、HSPさんにとって、プレッシャーに感じてしまうことがあります。
もちろん、自分がどれだけ上達したかを把握することは大切ですが、成果を出すことが目標になってしまうと、純粋に楽しむことが難しくなることも…。
習い事を始める時は、マイペースに取り組むことができるか事前に確認することも、忘れないようにしましょう。
・形になるものを作る
絵を描いたり、物作りをしてみたりすると出来上がった時に達成感が得られます。
自分が作ったお気に入りのものに囲まれて生活をすると、心が満たされ満足度も得られます。
また、続けていると上達度が目に見えて分かるので自己評価も高くなります。
感性が豊かなHSPさんにとって、形になるものを作ってみることは、人と違った個性や才能を発揮できる機会になるかもしれません。
まとめ
今回はHSPさんと不安神経症について解説をしました。
不安な気持ちは目に見えないため、「こんなことくらいで…」と考えてしまいがちです。
しかし、不安な感情を抱き続けることは本当につらく、自分が思っている以上に生活に支障が出ている恐れもあります。
気晴らしをしても治らない場合には、早期に医療機関を受診するようにしてくださいね。
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