「付箋」を使って行動スピードを速める2つのポイント
やるべきことがあっても、なかなか気が進まないことがあります。しかし先送りすることで、さらに気が進まなくなることがあるため、出来る限り速めにやるべきことは片付けたほうがよいですよね。そのためには、自分がホテルで働くポーター(荷物の運搬などを主業務とするホテル従業員)だとイメージし、やるべきことを台車の上に置いた「荷物」だと考えればよいのです。これを「台車理論」と呼びます。
荷物をそのまま運搬しようとすると重いので、大切なことは荷物を「台車」に載せるという概念を持つことです。
大きな荷物を小分けにしたり、小さな荷物を一緒にすることで、効果的に運ぶことができます。大きな荷物を小分けにする、ということは、「プロジェクト」を「タスク」に分解すること。「経営会議の資料を作成する」というプロジェクトであるなら、それらをタスク分解して、それぞれの所要時間を目安でいいので書き記します。
■資料の標準フォーマットを探す → 5分
■目次案を課長に相談する → 15分
■業績データを情報システム部のAさんから入手する → 15分
■経営課題の整理を部長に確認する → 20分
■資料を作成する → 50分
このような感じに分解します。すべて「荷物」だと認識するために、付箋紙やブロックメモ等に記して並べておくと、タスクの可視化ができます。頭の整理にも繋がりますね。
さらに他プロジェクトで「4月の懇親会の手配」があるとします。これもタスク分解します。
■懇親会の予算を課長に確認する → 3分
■会場を探す → 20分
■同期のAさんに懇親会の司会を頼む → 5分
これらのタスクも、それぞれの付箋に記します。他にも社内から支給された『パソコンの調子が悪いので、情報システム部のAさんに問い合わせる』というタスクがあるなら、これも付箋に記しておきます。(必ず1枚の付箋に1つのタスクを記します)
こういったすべての「荷物」をいったん見える状態にします。目の前にはたくさんの付箋紙が並べられています。すべて運搬すべき「荷物」です。これらを効果的に台車に載せていきます。
コツは、目的地が同じ荷物は、同じ台車に載せることです。たとえば、業績データを入手すること、懇親会の司会を頼むこと、パソコンの調子を確認してもらうこと、これらの「荷物」の目的地はすべて同じ。「情報システム部のAさん」です。情報システム部へ行き、Aさんに会って、これら3つの事柄を一度に相談すればいいのです。経営会議の目次案のこと、懇親会の予算のことも、同じ目的地です。課長さんです。これら2つの事柄を同時に相談すればいいのです。目的地が同じ荷物を同じ台車に載せることで、一度に運ぶことができます。
「台車」は、大きめのメモでもいいし、ビッグサイズの付箋でもいいです。ひとつひとつのタスクの名称と所要時間を記した付箋を、大きめの付箋の上に貼り付けておく。そしてそれらが終了したら、台車ごと一気に「クシャッ」として捨てればよいのです。
ポイントは2つです。まず1つ目は、会社に出勤した朝などに、今日すべきすべてのプロジェクト、タスクを付箋紙に書き出すこと。管理者クラスの人であれば1日ではなく、1週間や1ヶ月という単位で書き出しましょう。2つ目は、すべてを見える化してから、「人」や「場所」などの属性でカテゴライズし、まとめて一気に処理してしまうのです。一度に「やるべきこと」が片付くと気持ちがいいです。大小異なる、大量の付箋紙を常備しておきましょう。