唐揚げを食べる順序。私の中の常識を覆してしまいそうなムネ肉唐揚げに出会ってしまった
鶏肉の唐揚げといえばモモ肉が人気ですが、十数年ほど前からムネ肉の人気も急上昇しています。ムネ肉唐揚げだけを提供するお店も登場しているほどで、根強いファンがいるようです。お店によっては「ミックス」「合い盛り」などのネーミングで、モモ肉とムネ肉の唐揚げを一緒に提供するところも増えています。
モモ肉とムネ肉の唐揚げが同時に出てきた場合、私はまずムネ肉からいただきます。先にモモ肉を食べてしまうと、あとから食べるムネ肉に物足りなさを感じてしまうから。またムネ肉は冷めると固くなりやすいことから、ムネ肉→モモ肉という流れが私の中でセオリーのようになっていました。
しかし!今回ご紹介する『からあげ専門店 COCCALA~コッカラ~』で、そんな私のセオリーを崩してしまいそうなムネ肉唐揚げに遭遇しました。JR亀戸駅東口から徒歩で2~3分ほどにあるテイクアウトがメインの唐揚げ専門店です。
店主の日沢和紀さんはとても研究熱心な方。私は以前から何度かこちらの唐揚げをいただいたことがありました。なんでも最近、ムネ肉唐揚げの味を改良したとの話を耳にし、さっそくいただいてみるべく、やってきたのです。
いただいたのは「ちょっぴりお得なポテトセット」(800円)。モモ肉2個、ムネ肉3個、ポテトフライもついたもので、お酒のアテによさそうなメニューです。テイクアウトメインのお店ですが、2~3名程度なら店内で飲食(立食)も可能とのことで、ハイボール(400円)とともにいただきました。
さっそくセオリー通りにムネ肉からいってみました。醤油ベースの味付けですが、これをひと口食べてビックリ。モモ肉のようなジューシーさはないものの、心地よい歯ざわりの弾力があります。しかも旨みも肉汁も一般的なムネ肉唐揚げよりもかなり強い印象。旨みの中に甘さもあります。「おろして炒めたタマネギを味付けに使っています」と店主の日沢さん。なるほど、タマネギの甘みがしっかり出ているんですね。肉の旨みを邪魔することなく、ナチュラル感のある甘みで味を高めているようです。こんな美味しいムネ肉唐揚げ、ちょっと記憶にありません。
モモ肉は塩ベースと醤油ベースのものが各1個。どちらも正統派の美味しい唐揚げですが、このムネ肉唐揚げのあとで食べると、ちょっと物足りない感じも…。う~ん、こんな経験は初めて。これなら先にモモ肉を食べて、それからムネ肉にいったほうがいいんじゃないの!? 自分がセオリーだと思っていたムネ肉→モモ肉が崩れてしまいました。
日沢さんによると「ムネ肉のあとにモモ肉を食べて『やっぱりムネ肉がいい』といって、そのあとはずっとムネ肉だけ、というお客さんもけっこういる」とのこと。その気持ち、食べてみれば共感できます。モモ肉よりもあっさり感はあるものの、旨みが際立っていて何個でも食べられそうな味わいなのです。これは衝撃的なムネ肉唐揚げに出会ってしまいました。ムネ肉の唐揚げが大好きだけど、いつもとはちょっと違うものも食べてみたい…という人におすすめしたい唐揚げです。
さて、こちらで使っている鶏肉は国産銘柄鶏「桜姫」。臭みが少なく、ビタミンEが豊富でジューシーな肉質が特徴の肉です。そして醤油は〈からあげの聖地〉と呼ばれる大分県中津市の『浦野醤油醸造場』のもの。日沢さんが以前、バーの店長をしていたときにそこに来店していたお客さんに中津市出身の人がおり、その人から「中津の浦野醤油のものがいいよ」とすすめられたのだそうです。少しだけ聖地の味を楽しめる唐揚げといえるかもしれませんね。
立食ですがイートインも可能。しかしメインはあくまでもテイクアウトとのこと。カウンターも2~3名でいっぱいになりそうなスペースのみ。「テイクアウトのお客さんが来店されたときは、そちらを優先させていただいています」と日沢さん。イートインの場合はお店のそんな事情を理解して「ビールまだぁ?」なんて言ったりせず、ゆっくりゆったり、おおらかな気持ちで楽しむのがよさそうです。
【店舗情報】
からあげ専門店 COCCALA~コッカラ~
■住所:東京都江東区亀戸6-56-9
■TEL:03-5875-3342
■営業時間:
火~土/11:30~21:00
日/11:30~20:00
■定休日:月曜