父は一度も移籍せず殿堂入り。息子は7ヵ月に5球団を渡り歩く
クレイグ・ビジオは、1987年のドラフトで全体22位指名を受け、ヒューストン・アストロズに入団した。そして、引退するまで、アストロズ一筋に過ごした。
1988~2007年の20シーズンに、3060安打、668二塁打、291本塁打、414盗塁などを記録し、3度目の記者投票で殿堂に迎えられた。得票率は、68.2%→74.8%→82.7%と推移。2度目の得票は、殿堂入りに2票足りなかった。
息子のキャバン・ビジオは、ここ7ヵ月に5球団を渡り歩いている。昨年の6月12日にトロント・ブルージェイズからロサンゼルス・ドジャースへ移ったのを皮切りに、サンフランシスコ・ジャイアンツとアトランタ・ブレーブスを経て――ジャイアンツではメジャーリーグ出場なし――1月5日にカンザスシティ・ロイヤルズとマイナーリーグ契約を交わした。ちなみに、その前の移籍は皆無だ。2016年のドラフトで、ブルージェイズから5巡目・全体162位指名を受けた。
内外野を守ることができ、四球率は6シーズンとも10%を下回ったことがない。ただ、センターの守備についたのは、2020年の3試合だけだ。遊撃はさらに少なく、2023年の1イニングに過ぎない。また、2024年は打率が.197と低く、四球率10.7%を記録したものの、出塁率は.314にとどまった。その前の2023年は、打率.235、四球率11.8%、出塁率.340。打率は低めながら、出塁率は悪くなかった。
ビジオ親子のスタッツを比べると、最初の2シーズンは、父が1988~89年に184試合で打率.247と出塁率.319、16本塁打と27盗塁、OPS.710、息子は2019~20年に159試合で打率.240と出塁率.368、24本塁打と20盗塁、OPS.798だった。一方、その後の4シーズンは、父が616試合で打率.284と出塁率.364、35本塁打と97盗塁、OPS.756、息子は365試合で打率.216と出塁率.325、27本塁打と12盗塁、OPS.673だ。ざっくり言うと、父の数値は上昇し、息子の数値は下降している。
息子がロイヤルズの開幕ロースターに入れるかどうかは、わからない。開幕前にロイヤルズを退団し、渡り歩く球団の数は、さらに増えていく可能性もある。