スマホと手帳どこがどう違うの?それぞれの特徴からメリット・デメリットを考えた その0:大前提編
手帳はスマホの下位互換ではない
ここではっきりしておきたいのですが、手帳はデジタルツールの下位互換ではありません。双方に共通する利用目的もありますが、構造も使い方も違います。
構造が違うから使い方や特徴が違うのは当たり前です。
にも関わらず、手帳はデジタルツールよりも機能の劣るものだと思われているふしがあります。
はたして本当にそうなのでしょうか?
こんにちは。デジアナリスト・手帳評論家の舘神龍彦(たてがみたつひこ)です。
今回から、手帳とスマホを比較するシリーズを数回やってみたいと思います。
この記事では第0回として、手帳とスマホの根本的な違いを比較し、考察します。
最大の違い:手帳のアドバンテージは「通知が来ないこと」
手帳とスマートフォンの最大の違いを最初に触れておこうと思います。
それは、通知が来ないことです。
ひょっとしたらこれにつきます。
スマートフォンはその性質上、通信ネットワークに常時接続(またはそれに近い形)されています。そして、設定にもよりますが、つねに各種アプリの通知が来る可能性があります。各種アプリとは、たとえばメール、各種SNS、メッセンジャーアプリなどのそれです。
『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン 新潮新書)を例に挙げるまでもなく、スマートフォンが現代の人間の集中力を妨げる最大の原因のひとつである事は間違いありません。
つまり、スマートフォンに予定を入力したりメモしたりするのは、無意識にそういう集中力の妨げを感じながら作業することなのです。
これに対して、手帳はそういうことがまったくありません。
アナログツールなのだから当たり前と言えば当たり前です。
ですが、この当たり前なことをデジタル機器で実現することがなんとむずかしいことでしょうか。
iPhoneでそれらの通知をオフにする各種の方法については機会があれば触れようと思います。
通知の来ないデジタルツールは、「ポメラ」(キングジム)、「電子ノート」(シャープ)「クアデルノ」(FCCL)などのごく一部の例外があるだけです。
これに対して、手帳は、基本的に通知とは無縁です。
ネットワークに接続されておらず、また、ネット経由で情報を更新するようなアプリもないのです。もう一度書いておくと当たり前といえば当たり前です。
もちろん、現代のビジネスパーソンのほとんどは、みなスマートフォンを持っています。だから、手帳(やノート)を使っているときに、その存在によって集中力がさまたげられているであろうことは、想像に難くありません。
ともあれ、スマートフォンでは、他のアプリの通知がつねに来ることを考えたり、チェックの誘惑と無意識に戦いながら操作・入力することになります。
これに対して、手帳(やノート)では、書くことに集中できます。その面に何を書くのかにフォーカスできます。
スマホと手帳の違いの前提
これが、スマホと手帳の違いの前提です。
この2つは、入力の方法やコスト、リマインドの可否や方法、面のサイズなどいろいろな点で違います。次回以降はそれぞれの違いについても細かく説明していこうと思います。
おそらくこの種の分析をこれから誰かがするときは、この記事の分析ポイントを踏まえた物になるはずです。その意味でも、この記事シリーズをいち早くチェックしていただければと思います。
以下はシリーズの記事です。
スマホと手帳の違いを理解しよう その1 構造編 手帳はノートに時間軸をプラスした紙の記録媒体