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【注目!】高架下ビジネスが盛んになっているワケ

坂口孝則コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家
現在、駅チカの高架下ビジネスが大人気になっています(写真:イメージマート)

いま立て続けに、鉄道の高架下ビジネスが注目されています。多くのメディアもこぞって取り上げています。一例をあげてみましょう。

いま「鉄道の高架下」が熱い!(NHK)

鉄道会社の「高架下ビジネス」がアツい理由(東洋経済オンライン)

暗くて狭い「鉄道高架下」が人気化する必然(東洋経済オンライン)
【がっちりマンデー!!】高架下にある「キャンプの練習場」?多くの人から注目を集める理由に迫る(TBSテレビ)

JR東が高架下に学生向け住宅建設、ここまで来た遊休資産活用(日経ビジネス)

など、多くの特集が組まれています。

ここで、関係者からヒアリングした内容をまとめつつ、背景を記しておきます。

【これまで開発が進まなかった理由】
・駅に近いとはいえ、工事のコストがかさむことが大きく、なかなか進まなかった
・「暗い」「治安が悪い」「駐車場くらいにしか使えない」というイメージがあった
・仕事帰りの居酒屋、くらいしか活用できないと思われていた

【最近になって高架下ビジネスが進んできた理由】
・都心あるいは中心地で開発できる場所が減少していた
・遮音性、防振など建築資材が発達してきた
・ロングレールの採用によって継ぎ目が少なくなり、ガタンガタンと音の少ない環境が可能になった
・共働きの世帯が増え、これまで以上に、迎えに行きやすい、駅の近くでの保育園等の施設へのニーズが増えた
・高架下での環境を逆手にとって、騒がしくてもOKという状況を利用するケースが多くなった。たとえば、騒がしい学生寮や、演劇サークルの練習場などのニーズが出てきた(発見された)
・コロナ禍で高架下でのキャンプ、アウトドア、という発想が出てきた。遠くまでは行けないが、高架下は、常に屋根もあるし最強の施設となりえた

・交通渋滞や踏切事故を防ぐために、そもそも高架を作る動きが加速してきた

その他、欠かしてはいけないのは次のビジネス的な観点です。

【ビジネス的観点】
・駅チカに人を集めるために高架下が地域住民の「憩いの場」として活用されるようになった(天候の影響も受けないことから鉄道会社からするとイベントも開催しやすかった)
・コロナ禍で鉄道事業の集客が落ち、本格的に代替収益源を探す必然性が出てきた
・高架下ならば近くにコンビニも銭湯もあり、すべてを用意しなくていいので、ビジネスオーナとしても低コストで開始ができた
・今後の展開を考える際に、高架下は高さが統一されているため、統一感を醸成できた。

上記です。ところで、高架下ビジネスは次なる時代の到来さえ感じます。神戸や横浜は倉庫がおしゃれという新たな価値観を作り出しました。これからは高架下こそおしゃれというトレンドがありうるでしょう。高架下で野菜をつくって駅チカレストランに送るビジネスもあるでしょう。それこそ、超地産地消でしょう。

コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家

テレビ・ラジオコメンテーター(レギュラーは日テレ「スッキリ!!」等)。大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務、原価企画に従事。その後、コンサルタントとしてサプライチェーン革新や小売業改革などに携わる。現在は未来調達研究所株式会社取締役。調達・購買業務コンサルタント、サプライチェーン学講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。「ほんとうの調達・購買・資材理論」主宰。『調達・購買の教科書』(日刊工業新聞社)、『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、『モチベーションで仕事はできない』(ベスト新書)など著書27作

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