ゲームソフトの開発費はいくら? スマホゲームの運営費 月3000万円以上も
ゲーム市場の規模や動向などを収録した書籍「2021 CESAゲーム白書」(6600円)が25日、発売されました。メインはゲーム業界の市場規模ですが、同書にはユニークなデータも収録されていますので、紹介してみます。今回は、ゲームソフトの開発・運営費です。
「CESAゲーム白書」は、ゲーム業界団体のコンピュータエンターテインメント(CESA、東京都新宿区)が1996年から毎年発行しています。今回は新型コロナウイルスの感染拡大もあって2021年夏から延期されましたが、次回以降は元のペースに戻る予定です。
◇家庭用ゲーム機のソフト開発「1億円超」37%
同誌にはさまざまなデータが紹介されていますが、最も興味深いのは、ゲームソフトの開発費・運営費についてです。とはいえ、開発費や運営費の定義はいろいろな解釈ができてしまうため、難しいところ。マルチプラットフォームはもちろん、アニメやパチスロなどに最初から使うことを織り込んで、開発費を圧縮するケースもあるからです。それを踏まえた上で「協力会社の実態」という“参考”として数字を公開しています。
家庭用ゲーム機用ソフトの初期開発費用ですが、据え置き型ゲーム機の場合「5000万円以下」と答えたのが42%。「5000万円超・1億円以下」が21%。「1億円超」は37%となりました。個人的には別途「10億円超」のデータも欲しかったところですが……。
数字だけでなく「留意点」も丁寧に書いています。開発費には、リメークや、マルチプラットフォームのタイトルも入っていること。新型家庭用ゲーム機のソフト開発には、研究するため初期費用がかかり、高騰する傾向にあること。逆にゲーム機の開発に慣れると、費用を圧縮できることも触れられています。
◇スマホゲームの開発費「10億円超」も
そしてスマートフォン、PC、タブレット、マルチプラットフォームのゲーム開発のデータもあります。
まずスマートフォンとタブレット用ゲームの開発費ですが「1億円超・5億円以下」が60%と最も多く、「5億円超・10億円以下」「10億円超」の回答もそれぞれ10%ありました。対して「5000万円以下」は20%にとどまります。
PC用ゲームの開発費は「5000万円以下」が47%で最多。次が「1億円超・5億円以下」の29%。「10億円超」の回答も12%ありました。
◇運営費「月3000万円以上」多く
最後にスマートフォン、PC、タブレット、マルチプラットフォームの追加開発・運営費についてです。
まずスマートフォン・タブレット用ゲームですが、最も高額な「月3000万円超」の回答が45%もありました。単純計算すると年換算で3億6000万円以上ですね。「月1000万円超・3000万円以下」も20%。一方で「月300万円以下」のスマートな運営は25%でした。
PC用ゲームは、「月300万円以下」が67%と最多。一方で「月1000万円超・3000万以下」も33%となりました。逆に「月3000万円超」はゼロでした。
マルチプラットフォーム(スマートフォン・PC、タブレット)の場合、最多は「月3000万円超」が45%でした。次が「月300万円以下」の25%となります。
追加開発・運営費については「コストを抑える」と「金をかける」の二極化状態にあるのですね。