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私は、「過去と他人は変えられないから…」というセリフを言ったことがありません。何故なら…。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

私は、数年前のことですが、家内のことで悩んでおり、カウンセリングを受けたことがあります。すると、その女性カウンセラーは、私の話を5分も聴かないうちに、「過去と他人は変えられませんから…」と冷たく言い放ちました。

私は、プロの心理臨床家です。
そんなことは、言われなくても十分にわかっています。
ただ私は、自分の苦悩を理解して欲しかったのです。

私は、その女性カウンセラーに対し、大きな失望感を味わうと共に、思いっきりしらけてしまいました。「この若い女性カウンセラーには、何を言っても無駄だな」と思いました。

その後、そのカウンセラーから何を言われ、何をされたか、ほとんど覚えていません。
その女性カウンセラーは、黙り込んでしまった私に対し、意気揚々として自分の考えを述べたあと、「奥様をイメージして、ご自分の左の手の平に乗せて、ご自分をイメージして、ご自分の右の手の平に乗せて…」と、私に対し、催眠療法を施そうとしたのです。
私は、頭の中を真っ白にさせながら、女性カウンセラーの指示に従い、カウンセリングの時間を終わらせました。

今、思い返しても、無駄に時間とお金を費やしたものだなぁ…と思います。
今も、ちょっとした心の傷、トラウマになっています。
ちなみに、その女性カウンセラーは、知人から「凄腕のカウンセラーがいるから」と紹介された人です。

私は、プロの心理カウンセラーになり、26年が経過していますが、クライアントに対し、「過去と他人は変えられませんから…」みたいなことを言ったことは、おそらく1度もないと思います。
何故なら、そんな当たり前のこと、そんな正論を言ったところで、クライアントの役には、全く立たないからです。

たとえば私は、女性のクライアントがご主人の愚痴を言い始めたら、それを熱心に聴くと思います。聴いて聴いて聴きまくると思いますし、実際にそうしています。そんなこんなを数十分から数時間続けると、やがてクライアントは、静かに言うものです。
「ごめんなさい。私、さっきから愚痴ばかり言ってますね…」
私は言います。「いいえ、貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございます」
「結局、私が変わるより他ないですよね。過去と他人は変えられませんから…」
私は、その女性クライアントの言葉を聞き、ニッコリ微笑みます。

「過去と他人は変えられない」ということは、人が人に教えることではありません。
ましてや、ドヤ顔で教えるなんて、もってのほかです。
過去と他人は変えられない」ということは、自分で悟るものです。
自分で悟るからこそ、腑に落ちる、自分の腹に落ちるものなのです。

そのためには、他者から温かい関心を寄せられ共感的理解をされることが大切です。「私の気持ちをわかってもらえた」と思えるからこそ、「過去と他人は変えられない。自分が変わるより他ない。前を向いて歩きだすより他ない」と思えるのです。

あなたも宜しければ、
腕のいいカウンセラーから、カウンセリングを体験してみてください。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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