中国のネット利用者は6.5億人、米国人口の2倍に ただし普及率は日本・韓国・米国を大きく下回る
中国インターネット情報センター(中国互聯網絡信息中心=CNNIC)がこのほどまとめた「中国インターネット発展状況統計報告(中国互聯網絡発展状況統計報告)」の内容を、Xinhuanet(新華網)などの海外メディアが報じている。
世界最大のネット人口、モバイルは5.6億人に
それによると、中国のインターネット利用者数は2014年末時点で、6億4900万人となった。
この数は1年前から3117万人増加しているが、2012年末から2013年末までの増加数5358万人より少なく、ネット利用者数の伸びは鈍化しているという。
またスマートフォンやタブレット端末などモバイル端末を使ってインターネットを利用する人の数は全体の85.8%に当たる5億5700万人。こちらは2013年末から5672万人増加しており、その伸び率はネット利用者全体の伸び率より高い。
いずれにしても、中国のインターネット人口は今や米国の全人口の2倍以上。世界最大の人口大国である同国は、インターネット人口でも世界最大となっている(ワールド・ポピュレーション・レビュー)。
普及率は48%、農村部など4分の1にとどまる
また、世界銀行や国連などがまとめた世界の国別インターネット人口統計では、中国が6億4100万人で世界1位。これに米国が2億7900万人で続き、このあと、インド(2億4300万人)、日本(1億900万人)、ブラジル(1億700万人)、ロシア(8400万人)が続いている。
その一方でインターネット普及率では中国はまだ成長途中にあるようだ。
中国インターネット情報センターのリポートによると同国のインターネット普及率は47.9%。農村部や中小都市のインターネット利用者は中国全体の4分の1を若干超える程度にとどまっているという。
インターネット技術の標準化や普及促進を図る国際組織「インターネットソサエティー(ISOC)」がまとめたデータを見ると、世界の約40カ国・地域のインターネット普及率は7割を超えている。
例えば日本の普及率は86.3%で世界14位、韓国は84.8%で17位、米国は84.2%で18位。このデータでは中国の普及率は45.8%、順位は86位となっている。
ネットショッピングは2割増、ミニブログは1割減
ただ、このことは中国におけるインターネットビジネスが今後さらに伸びる余地があることを示していると、英ロイター通信は伝えている。
その恩恵に与れるのは、同国電子商取引大手のアリババ・グループ(阿里巴巴集団)やJD.com(京東商城)、ソーシャルネットワーキングやビデオゲームのテンセント・ホールディングス(騰訊控股)、検索大手のバイドゥ(百度)など。
同国ではインターネットショッピングの利用者が前年から20%増えた。
アリババやテンセントが運営するオンライン決済サービスの利用者は同17%増。またテンセントの「ウェイシン(微信)」(英語名:WeChat)や「QQ」といったインスタントメッセージング(IM)サービスの利用者は同10%増えている。
一方で、米ウォールストリート・ジャーナルによると、シナ(新浪)から独立した「ウェイボー(微博)」など、中国版ツイッターと呼ばれるミニブログサービスの利用は1年前から11.4%減少。これらミニブログは前年も9%減少しており、2年連続で利用が減っている。
(JBpress:2015年2月5日号に掲載)