ボディガードとカウンセラー(24時間、誰に対してもカウンセリングしている訳じゃありません)
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こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
あなたは、
ボディガードという職業の人に会ったことがありますか?
きっとないと思います。遠くで見たことぐらいはあるかもしれませんが…。
私は、ボディガードという職業の人に、1度だけ会ったことがあります。
映画に出てくるようなイケメンではなく、パッと見ただのオジサンでしたが、
よくよく観察していると、身体のしなやかさや、Tシャツ越しに見る背中の筋肉、
視線の配り方などが、普通の人とはちょっと違っていて、カッコ良かったです。
当時の私は、まだ40代でしたが、「うぉー、本物だぁ」と妙に感動したものです。
ボディガードは、クライアントの命を守る人です。その任務を担っています。
カウンセラーは、クライアントの心を守る人です。その任務を担っています。
私からすれば、似た職業なのですが、世間の目は違います。
カウンセラーは、ボディガードと違って、世間の人から大きく誤解されている部分が多々あります。
ボディガードは、クライアントの命を、命懸けで守っているのですが、◯日から◯日までと契約を交わし、守るのはその期間だけであり、また、自分のクライアント以外の命を命懸けで守ることは、基本ありません。
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当たり前ですよね。ボディガードは仕事としてやっているのですから。
カウンセラーは、クライアントの心を、命懸けで守っているのですが、◯時から◯時までと契約を交わし、守っているのはその時間だけであり、また、自分のクライアント以外の心を命懸けで守ることは、基本していません。
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当たり前のことだと私は思うのですが、多くの人は、そうは思っていません。
カウンセラーは、24時間、大変に寛容で、受容的で共感力が高く、老若男女、誰に対しても心優しく接すると思っている人があまりにも多いです。
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そんな訳ありません。
私が24時間誰に対しても、クライアントと接する時と同じように振る舞っていたら、
私は疲労困憊し、身も心も壊れてしまって、ぶっ倒れると思います。
私が、ごく普通に自然に振る舞っているだけなのに、私に対し、
「カウンセラーのくせに…」「カウンセラーだったら…」と仰る人があとを絶ちません。
私は、「いやいや、私はカウンセラーという職業をやっていますが、あなたのカウンセラーじゃありませんよ」と言いたくなります。言わないですけど…。
先日、私がエジプト旅行に行ったことやハワイ旅行に行った時のことを、ワードプレスやFBに書いたところ、ある方が、よほど腹に据えかねたのか、私に対し、「カウンセラーのくせに、世の中に苦しんでいる人がたくさんいるというのに、何を自分だけ楽しく遊んでいるんだ!」という非難のメールを送って来ました。
どうやら、その人の言い分では、カウンセラーは、24時間、365日、世の中じゅうの苦悩している人に寄り添い、共感し続けなければならないようです。
「竹内さんは整体師(カウンセラーのかたわら、整体業もやっています)なのだから、私の身体を、無料で優しく揉みほぐしてくれる筈だ」と思われることは皆無ですが、
「竹内さんはカウンセラーなのだから、たとえ私が暴言を吐いたとしても、私に無料で優しく共感的に接してくれる筈だ」と思われることは、実際少なくないです。
「整体は、お金を支払わないとやってくれないだろう」と理解している人でも、
「カウンセリングは、いつでも何処でも無料でやってくれるだろう」と誤解している人は大勢いるのです。
「本当に、困ったものだなあ…」と思います。
実際の私、プライベートの私は、メチャメチャ優しいとか、そういうことはありません。ごく普通の、社会良識を持った、ちょっとだけ気遣いの出来る、話を聴くのが上手い、という程度の人間です。
私がカウンセラーでいるところを見たことがあるのは、
私のクライアントだけでは、ないでしょうか。
私はカウンセラーです。ボディガードと同じです。
クライアントを守るのが仕事です。
24時間、365日、不特定多数の人を守るのが、私の仕事ではありません。
このあたりのことを理解してくれる人が増えたら、
もっとカウンセリングという仕事が世の中に認知されるのではないかと思うのですが…。
宜しかったら、あなたも、ぜひご協力とご理解くださいね。
【追伸】
カウンセリングは、1日数時間しかしませんが
その効果は、数日、数週間、数ヶ月、数年、続くことが多いです。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。