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ポストシーズンで1試合2本の同点本塁打はベーブ・ルースに続く2人目。打ったのは20歳のルーキー

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャクソン・チューリオ(ミルウォーキー・ブルワーズ)Oct 2, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月2日、前日に4対8で敗れたミルウォーキー・ブルワーズは、5対3でニューヨーク・メッツを下した。ワイルドカード・シリーズは、先に2勝を挙げたチームが勝ち上がりとなる。

 1試合目のスコアは、得点が入ったイニングの表あるいは裏が終わった時点で、ブルワーズから見て、2対0(1回裏)→2対3(2回表)→4対3(4回裏)→4対8(5回表)と推移した。ブルワーズは、2度リードしながら、いずれもその直後に逆転された。

 2試合目は、0対1(1回表)→1対1(1回裏)→1対3(2回表)→2対3(5回裏)→5対3(8回裏)だ。1回裏はジャクソン・チューリオのホームランで同点に追いつき、8回裏はチューリオのホームランで3対3の同点とした後、ギャレット・ミッチェルが2ラン本塁打を打った。

 オプタ・スタッツによると、ポストシーズンで1試合に2本の同点本塁打は、チューリオが2人目。それまでは、1928年のワールドシリーズ第4戦に記録した、ベーブ・ルースしかいなかったという。

 ただ、ここには、1試合に同点本塁打と逆転本塁打などの選手は、含めていない。また、ルースは、2本の同点本塁打に続き、その試合にもう1本、ホームランを打っている。3本目は、リードを4点から5点に広げた。

 一方、スタッツ・センターによると、ポストシーズンで1試合に複数のホームランを打った選手のうち、チューリオの20歳205日は、アンドルー・ジョーンズの19歳180日に次ぐ、2番目の若さ。それまでの2番目は、21歳20日のカルロス・コレイア(当時ヒューストン・アストロズ/現ミネソタ・ツインズ)だったという。アンドルーは1996年のワールドシリーズ第1戦、コレイアは2015年のディビジョン・シリーズ第4戦に、それぞれ、2本のホームランを打った。

 チューリオがメジャーデビューしたのは、今シーズンの開幕戦だ。昨年12月に8年8200万ドルの契約を手にしたことからわかるとおり、トップ・プロスペクトと目されてきた。その契約については、こちらで書いた。

「メジャーデビューしていない19歳が8年8200万ドルの契約を得る。AJのようなキャリアを築くのか」

 5月が終わった時点では、50試合で打率.210と出塁率.254、5本塁打と7盗塁、OPS.582だったが、6月以降は、98試合で打率.303と出塁率.358、16本塁打と15盗塁、OPS.883を記録した。

 ワイルドカード・シリーズは、ここまでの2試合で8打数4安打、2本塁打、3打点。第1戦でも、2本目のヒットにより、同点に追いつく打点を挙げている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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