台風、ハリケーン続々発生 アメリカ本土・ハワイ・フィリピン直撃へ
いま北半球の海では、多数の雲の渦がひしめいています。台風、ハリケーンといった熱帯性擾乱の年間平均発生数は80個といわれていますが、日本時間11日(火)現在、同時に6個も発生しているのです。
そのうち2つの渦はアメリカ本土とハワイに、1つはフィリピンに上陸するおそれがあります。
【ハリケーン・フローレンス】
上品な名前とは裏腹に、フローレンスはアメリカ史上最悪のハリケーンの一つとして記録に残る可能性があります。
フローレンスは日本時間11日(火)正午時点で、ハリケーンの階級では上から2番目に強い「カテゴリー4」の勢力です。このまま勢力を保ちながら、日本時間14日(金)にはサウスカロライナ州からメリーランド州のいずれかの場所に上陸する見込みです。猛烈な風に加え、最大雨量は1200ミリにも達するとの予想も出ています。
もし予想通り、この地域に「カテゴリー4」の勢力で上陸をすれば1989年ヒューゴ(Hugo)以来のこととなります。
【トロピカルストーム・オリビア】
一方、オリビアは日本時間13日(木)にハワイを直撃する見込みです。上陸時の勢力はトロピカルストームでハリケーンよりもやや弱いものの、嵐に慣れていないハワイでは大きな被害をもたらすおそれがあります。
1950年以降ハリケーンまたはトロピカルストームがハワイに上陸したのは1959年、1992年と2014年の3回しかありません。オリビアはマウイ島やオアフ島に上陸する可能性が高まっていますが、もしこれらの島に上陸をすれば観測史上初のことです。
ハワイ知事は緊急宣言を発令し、警戒を呼び掛けています。
【台風22号(マンクット)】
果実マンゴスチンを意味するマンクット。22号はかわいい名前を持つ一方で、今年世界最強の勢力となる可能性があります。すでに台風の階級では最強の「猛烈」な勢力ですが、日本時間13日(木)には中心気圧905hPaまで発達し、15日(土)にフィリピンのルソン島に上陸する可能性があります。
もしさらに発達して中心気圧800hPa台でフィリピンに上陸すれば、2013年に壊滅的な被害を出した台風30号(ハイエン)以来のこととなります。
統計的に秋の台風やハリケーンは一年で最も被害が大きいため、これからの時期、より一層の注意が必要です。