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北海道新幹線札幌延伸はズバリ6年遅れ!? SNS上などでは2040年代開業説も浮上?

鉄道乗蔵鉄道ライター
北海道新幹線(写真AC)

 羊蹄トンネル比羅夫工区での巨大な岩塊の出現により、4年遅れで工事が進んでいるという北海道新幹線の札幌延伸。現在は、トンネル工事の遅延に加え、札幌と小樽を結ぶ札樽トンネル工事で基準値を超えるヒ素や鉛などの重金属を含む残土処理の問題も表面化。2024年度になり作業員の残業規制強化や、千歳市の次世代半導体工場ラピダスの建設工事に関係した作業員不足などから、北海道新幹線札幌延伸の開業時期が見通せない状況となっている。

 それでも、北海道の鈴木直道知事は、北海道新幹線の札幌延伸は「道民の悲願」と強調し遺憾表明のパフォーマンスに必死の様子である。しかし、北海道新幹線を札幌まで延伸させること以外には興味がないのか、並行在来線問題は放置状態が続いている。北海道新幹線の札幌延伸に伴いJR北海道から経営分離される函館―長万部―小樽間のうち、北海道庁が主導する密室の並行在来線対策協議会では、輸送密度が2000人を超える余市―小樽間を含む長万部―小樽間の廃止を決めてしまったが、昨今深刻化しているバスドライバー不足の問題から鉄道代替バスの目途が立たずに、1年以上に渡って協議が止まったままの異常事態が続いている。

 こうした状況の中で、北海道ローカル経済紙の「財界さっぽろ」が9月号で報じたところによると、国土交通省や鉄道・運輸機構に取材をしたところ関係者の話から2024年6月時点で開業は「6年遅れ」を想定しているようだ。延伸工事が進む北海道新幹線の新函館北斗―札幌間は延長212kmのうちその約80%にあたる169kmがトンネルである。トンネル工事の遅れは羊蹄トンネルだけではない。新函館北斗―新八雲間で建設が進む渡島トンネルでも圧力が高く崩れやすい地質を掘削する工事が難工事となっており工期の遅れが生じており、こうした自然相手の長大トンネル工事では掘って見なければわからないことから、工期がさらに遅れる懸念もあり、SNS上などでは開業が2040年代にずれ込むのではないかという声も出始めている。

 しかし、北海道の鈴木直道知事は「早く開業時期を示せ」と高圧的な姿勢を示すばかりの様子だ。北陸新幹線の延伸開業では、新幹線の経済効果をどのように沿線地域に波及させるのかということについて並行在来線の活用も含め官民一体となってさまざまなワークショップが開かれ準備が進められたと聞いた。新幹線開業までの猶予期間が出来たのであれば、二次交通としての並行在来線の活用も含めて新幹線の経済効果を高めるための準備を官民一体となったワークショップの開催などにより深度化を図ればよいだけのはなしであるが、北海道の住民無視でパワハラ気質の行政姿勢では、札幌以外の地域への経済効果の波及など絶望的だろう。

※【北海道】乗り物大好きチャンネルさんでもこの話題が取り上げられています。

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。

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