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子どもの物をコッソリ捨てる、これってどうなの?4人の子の母が実践する「捨てる」ではないおススメの方法

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

「子どもの物を子どもに内緒で捨ててもよいですか?」と聞かれました。

例えばしばらくの間使っていないおもちゃ。大人がもう捨ててもいいだろうと思い子どもに「捨てていい?」と聞くと「ダメ!!」と言われたということがあり、そうなるのがわかっているからフェイドアウトする(こっそり捨てる)と言っていた人がいました。

子どもはモノとの出会いと別れを繰り返して成長する

「捨てる」はなかなか手ごわいかもしれませんが、私は子どもはモノとの出会いと別れを繰り返して成長するものであると思っています。

サイズアウトした靴を捨てる末っ子
サイズアウトした靴を捨てる末っ子

服や靴は、手に入れて着用していてもサイズアウトすれば捨てたり譲ったりするでしょう。

赤ちゃんの頃は、持ちやすく音が鳴るようなおもちゃを愛用し、成長し手先を器用に使えるようになると、今度は積み木やボタンを押して楽しむようなおもちゃに変わっていきます。

そういったことを繰り返し、子どもはその時の成長に合ったモノを手にし活用し生活をしています。

新しいモノを買ってもらったりする「モノとの出会い」は子どもにとってはうれしいことですが、問題は別れる時(捨てる時)でしょう。

私は小中高の4人の子を育てているので油断するとモノが溢れかえる状態です。だから子どものモノの「捨てる」問題にはこのように向き合ってきました。

子どもには「捨てる」ではなく「卒業」と言う言葉を

子どもに「捨てていい?」と聞くと、選択肢が捨てる、捨てないの2つに絞られてしまいます。

子どもの様々な思いが詰まったモノを捨てる?捨てない?のどちらかに決めさるのはやはり難しいです。(大人でも苦手な人は多いはず)

そこで「捨てる」と言う言葉は使わず「卒業」という言葉を使いましょう。

私の末っ子は小学校2年生の頃、ずいぶん遊んでいなかった電車のおもちゃを手放すことにしました。

その時の子どもへのよい声かけは「もう遊ばないでしょだから捨てよう」ではなく、「もうそろそろ卒業かな?」です。

親が勝手に捨てても本人にはバレないかもしれません。でももう自分で判断ができる年齢(幼稚園から小学校低学年)になっていれば、自分で「卒業」するかどうかを決めてほしいのです。

嫌がるようであれば先延ばしをしてもよいのです。その時は「いつごろ卒業になりそう?」「今じゃなくてもいいけどいつか卒業する日が来るからね」と声をかけておきましょう。

卒業が決まれば「ありがとう」と言い、自分でゴミ袋に入れるなり捨てる作業を手伝ってもらいます。

もし、もらってくれる人がいるのであればうれしいことなので、手入れをして譲る準備を子どもと一緒にしましょう。

もらってくれる人のためにおもちゃを洗う末っ子
もらってくれる人のためにおもちゃを洗う末っ子

モノは使っておしまいではありません。大切に使ったのであれば、捨てるにせよ、譲るにせよ、その過程にできるだけ子どもも関わって別れの経験をさせましょう。

モノを手にする楽しい出会いの経験だけではモノを大切にする気持ちは育ちません。

モノと別れる経験をさせることで、たくさん遊んだことを思い出したり、あまり遊ばなかったから少し寂しい気持ちになったりとモノと向き合うことになるのです。

今が「卒業」を考えるのにぴったりな時期

毎日子育てをしているとイレギュラーなことも多く子どものおもちゃの多さが気になっていてもなかなか行動に移すことができないものです。

だからつい子どもに内緒で捨ててしまうこともあるかと思います。

いつもはムリでもちょっと心に余裕がある時でよいので、子どもに「捨てていい?」ではなく「そろそろ卒園・卒業かな?」と声をかけてみてください。

ちょうど3月は卒園や卒業のシーズンです。生活面での卒園・卒業を経験するタイミングでモノの卒業も考えてみるもよいかと思います。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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