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アップルが中国で未認可ゲーム3.9万本を削除、フェイスブックは広告責任者が退任

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

 今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで

[1]米アップルが中国で未認可モバイルゲーム3万9000本を削除、当局と共同歩調

 米アップルが中国のモバイルアプリ配信ストアで、当局の認可を得ていない3万9000本のゲームを削除したと、ロイターが12月31日に報じた。1日の削除件数として過去最多だという。

 同国では2016年に有料モバイルゲームアプリに認可制を導入した。アップルはこれまで多くを容認していたが、中国当局と共同歩調をとる形で規則を強化したという。

 有料ゲームアプリの運営企業に対し、同日までに認可の取得を証明する書類を提出するよう求めていた。同国では認可取得できるアプリはごく一部に限られる。今回の措置では、1500本の人気ゲームのうち、削除されなかったのはわずか74本だという。

[2]米フェイスブック、偽情報や陰謀論で批判された広告責任者が退任

 米フェイスブックで広告などの製品管理担当ディレクターを務めていたロブ・レザン氏が退任したと、ロイターが1月1日に報じた。同氏は政治広告や新型コロナウイルス関連広告などの、内容の信頼性や公正性に関するポリシーの策定に携わっていた人物。米大統領選挙前にまん延した偽情報や陰謀論などの投稿に対する批判の矢面に立たされたと報じている。

 2020年12月30日付で退任すると社内ネットワークで告知していたという。退任の詳細な理由は明らかにしていない。同氏は20年11月に「短期間で、政治広告の表示を州や広告主ごとに調整することは技術的に不可能だ」と述べていた。

 だがフェイスブックは同12月、米国で実施している政治広告の掲載停止措置をジョージア州に限って解除すると明らかにした。同州で1月5日に行われる米議会上院選の決選投票を踏まえた判断だと説明している。

[3]米NY証券取引所、中国通信大手3社の上場廃止へ

 米ニューヨーク証券取引所が、中国の通信大手3社の上場廃止に向けた手続きを開始すると、米ウォール・ストリート・ジャーナルなどが1月1日に報じた。対象となるのは中国電信(チャイナテレコム)、中国移動(チャイナモバイル)、中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)。

 トランプ米大統領は2020年11月、中国の軍事・情報・安全保障機関に関与する中国企業に対する、米国人による投資を禁じる大統領令に署名した。この大統領令を考慮した措置だという。投資禁止措置が発効する1月11日までに取引停止となる予定。

 国防総省は中国人民解放軍と関係が深い中国企業のリストを公表しており、現時点で3社のほか、国有石油大手の中国海洋石油(CNOOC)や半導体受託生産大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)など35社が指定されている。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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